桜月夜

桜月夜

桜月夜

 

 今年、デビュー45周年を迎える太田さんの新曲です。3月20日に配信が開始されて、ワタシ、早速DLして、毎日聴いています。

 ロマンチックなタイトルとは裏腹な、そして太田裕美さんのこれまでのイメージからもかなりかけ離れた印象の「ロッカブルース」調の曲。ドラムンベースがタテノリのハチロクのリズムを刻み、泣きのギターが絡む裏で終始鳴り響くハモンド・オルガン。萩田光雄先生が骨太なアレンジで見事に「ブルース」させてます。

 作詞・作曲は裕美さんご本人で、彼女のピアノの弾き語りだったらもう少し、違ったイメージの曲になっていたかもしれないところ、ブルースの要素が入ったことで、そこはかとない切なさと力強さを兼ね備えた曲になったように思うのです。

 そして何よりオドロキなのは、太田さんのボーカル。

 あるときは、か細く儚げで、あるときは、ふんわりと甘い、歌手・太田裕美の最大の魅力でもあるファルセットが、この曲では何とも、力強いものに進化していて。そう、これまでのヒロミ・ファルセットがフツーの「裏声」であったとすれば、この曲での裕美ファルセットはまるで「地声」そのものなのだ。正面から叩きつけるようなファルセットが耳に迫って来るさまは、まるでオペラを聴いているようでね。

 忘れないで 胸の奥の 希望の光は 灯(とも)っているわ 

 もう、若さも夢も失いつつある同志たちと、なんとか少しでも希望を分かち合って行きたい。

 そんな太田さんのメッセージが、力強い歌声からビシビシ伝わってきて、ありふれたフレーズとはいえ、とても胸に迫ってくるのです。

 すてきな曲をありがとう。

https://mora.jp/package/43000001/4560427447704/?cpid=sonymusicshop.jp

 そして5月1日には、この曲をカップリングで収録した、シングル発売、ということで。こちらも楽しみにしたいところ。5月のソロコンサートでも披露されることでしょうね。 (7月の京都もありますが、今年は仕事の都合で参戦できず・・・号泣)

  ただね。なんでこの新譜、「アナログ盤」限定なのでしょうね。一応ワタシ、コレクターズグッズとしては押さえますけど、ね。裕美ファンたちが皆、レコードプレーヤーをいまだ温存しているわけではないし、オーディオマニアばかりというわけでもないだろうし、だいいち裕美ファンの皆が、アナログレコードで歓喜する年齢層だとは限らないように思うのよね。これはソニーさんへの不満。