平成の終りに刻む、カミングアウト

 皆様、10日間の“大GW”、いかがお過ごしでしょうか。

 ワタシはGWスタートから連日、普段はなかなか会えない仲間たちから様々なお誘いを頂きまして、まるで人生の総決算か(?汗)とも言うべき充実した日々を過ごさせて頂いております。ありがたいことですね。

 その中でも今日、奇しくも平成の終りの日に会った友達は、ワタシが最初に勤めた会社の同期であり、入社当初から意気投合して、その後足掛け30年に亘る付き合いの旧友でして、会うたびに喧々諤々と人生論を交わすことのできる、個人的には「竹馬の友」とも言うべき存在。

 それで馴染みの場所で飲みながら話をしているうちに、彼がいま不倫しているというハナシを嬉々としてし始めて(奥様には内緒で、おミズの女の子(大陸の人)と個人的に連絡し合っているとかいう、よくあるハナシ・・まだ肉体関係には至っていないのだけが「救い」だが、双方ともに不倫であることを意識したうえで、なお店の外で逢瀬を重ねている状態)、そのうちにワタシ、いつの間にやらそのおミズの子の方の側に立って彼女の気持ちを代弁し、彼の行動をなんとか止めようと、話していたのです。

 たとえ彼女が今のままで楽しいとかシアワセだとか言っているとしても、いざ深い関係になれば、彼女の気持ちもきっと変わってくるから、その時には責任を取らなけらばならないよ。そのリスクがあることを考えているのかい?なんて。(いかにもノンケ風にね(苦笑)。)

 でもね。こうしてワタシの放った言葉、この信憑性を担保するにはね、どうしてもワタシの「経験談」で補足することが必要になってしまってね。

 それで、やっぱりこれは「カミングアウトせざるを得ない・・・」、そういう状況になってしまったのです。

 それで・・・。

 じ、実は俺、付き合う相手は男、なんだよね。

 で、妻子持ちやらなんやら、今までいろんな相手と付き合ってきて、今の俺がいるのだよ。だから、彼女の気持ちもわかるんだよ。

 とね。

 そうしたら、その友達。「ああ、わかるよ、前から、そんな気がしていた。」と。「だってさ、恋愛とかの話になるといつも適当に誤魔化して、自分の事はほとんど話さなかったもんな。」と。(・・・その通り。汗)

 そんなわけで、ガチガチのノンケで過去にはホモフォビアとも取れる発言もしていた彼へのカミングアウトは、なんとも呆気なく終了したのでした・・・(冷汗)。

 しかし。彼にとっては想像を超える「ゲイ」という人種に関して、興味が尽きないらしく・・・。

 その後の彼からの「質問攻め」にワタシは辟易し、誤解を解くために彼に「コーチングする」過程では、被差別者がしがちな「無意識なる差別者への“反撃”」(「それこそが、差別なんだよ、なぜわからない?」)を出し勝ちになるのを抑えるのに必死となる状態でして、カミングアウトそのものよりも、難しいのはカミングアウトの「その後」であることを痛感した次第。勉強になりました。

 とはいえ、そのガチガチノンケの友達も話題のドラマ「きのう何食べた?

www.tv-tokyo.co.jp

は、楽しみに観ているんだ、なんて言っていて、セックスばかりではないゲイの日常があることは何となく想像できていたらしい。そうした意味でもこの日本でも、ゲイへの理解は少しずつ進んでいるのだな、と、そして最近の関連ドラマの影響も、少なくないのだな、と。少しだけホッとした。

 そんな、どこか象徴的な、hiroc-fontanaの平成の終りでした。