2018-2019 Yuming&聖子 それぞれのプロ根性

 明けましておめでとうございます。
 2005年に開設したこのブログ、15年目に突入です。自分でもオドロキでございます。
 2018年の年末は、右手首の骨折という、この15年・・・いいえ、ワタシの半生50ウン年でも5本指に入るくらいのアクシデントに見舞われましたが、多くの方にご心配をおかけした一方、たくさんの温かいお励ましのお言葉も頂きまして、お陰様で順調に回復しつつ、新たな年を迎えさせて頂いておりますこと、感謝の気持ちを込めてご報告申し上げます。
 さて、こんなワタシではありますが、実は昨年末、12/29に名古屋の日本ガイシホールで開催された「松任谷由実TIME MACHINE TOUR Traveling through 45years」に参戦してきたのです。ユーミンからの、恋のうた。(初回限定盤B)(3CD+DVD)追加公演のメールが来て何となく先行予約に申し込んで、図らずも当選して喜んでいたアノ時は勿論、その後に自分が骨折することなど露知らず・・・ということで、無理は承知の上で、赴いて参りました。まあ、実際にはほとんど不自由を感じることなく、熱田神宮に参拝し、名物ひつまぶしを食し、名古屋城周辺を散策し、そしてユーミンのコンサートへ・・・と、いつもの「気ままな独り旅」そのままであったわけですが(ご心配頂いた皆様には申し訳ないお話です)。
 さて、本題のユーミンの45周年コンサート、まだまだツアーは続いていますので詳しくは記事に出来ませんが、もはや日本の音楽界&ショウビズ界のレジェンドである彼女の足跡・功績が見事に再現された本当に素晴らしい「ショー」(ユーミンは自分のコンサートを“ショー”と言います)でした。ワタシ、昨年、あのテイラー・スウィフトのコンサートを観まして、その過剰なほどの“これがエンタテインメントよ!どうよ!”ぶり(笑)に瞠目させられたのですけど、今回のユーミンはそれに匹敵すると言いますか、それを超える内容かもしれない、とさえ思えました。見せて楽しませるだけでなく、主役は45年間に生み出された数々の名曲たちであって、それらの曲がそのまま自分の人生に繋がっているからこそ、ステージ上で繰り広げられる夢のような場面に自分が一体化できる。そんな至福の時をユーミンのコンサートでは最初から最後まで感じられたのです。スタッフも、演者も、気持ちいいくらいに、プロ中のプロ。齢60を超えて、たとえ歌声が劣化しようがそれをカバーするに余りある輝きは、その徹底したプロ根性が無ければあり得ない、そう思いました。
 ユーミンは年末の(「平成最後の」←この言葉、あまりに軽々しく使われ過ぎていてイヤなのですが)紅白にも出演して、最後はサザンの桑田さんとステージ中央に立ってその存在感を見せつけてくれましたけれど、やはりそこには「紅白出演を快諾する」「自分の出演場面に全力を注ぐ」「脇役としてもステージを盛り上げるために(少し過剰な)パフォーマンスをする」という、芸能界の“レジェンド”としての自分を俯瞰してのギリギリの選択がなされていて、放っておけば我がままになりがちな“自称”レジェンドたちに爪の垢でも飲ませたいくらい、演者としてプロフェッショナルに徹底していたのだと思います。サザンの桑田さんしかり。そこが見ていてとても気持ちよかったし、多くの方の感動を呼んだのだと思います。
 さて、一方の聖子さん。Seiko Matsuda Concert Tour 2018 Merry-go-round(初回限定盤) [DVD]紅白でのパフォーマンスは今年も「劣化」「口パク」「キイが低すぎる」など叩かれまくっていますが、ワタシは個人的に、ユーミンに通ずる「役割を演じきった」気持ちよさを今回の聖子さんには感じました。アイドル界の“レジェンド”として、フリルのついたドレスを着て、かつて皆が口ずさんだ曲たちを、今の彼女としては精一杯のパフォーマンスで演じた、ということ。ユーミンやサザンやサブちゃんといった大御所と並んで、残念ながら少しだけ世間的には地位が低く見られてしまう“アイドル”として、しかし間違いなくその伝説を作った大スターとして、同じ紅白の舞台でその存在感を示せたのではないか、と。
 奇しくも2019年は聖子さんにとってプレ40周年にあたる年。前半は「SEIKO JAZZ2」でより進化したスモーキー・ヴォイスを披露してくれることに期待しつつ、後半は今の聖子さんにしっくりくる素敵な外注曲で快心のヒットを飛ばしてもらいたいものですわ。

 
 ということで、本年もどうぞよろしくお願いします。