恍惚のハスキーヴォイス

 俺が音楽を聴くとき、①メロディー&アレンジ、②ヴォーカル(声)、③詞 の順番で好き嫌いを判断していることが多い。多分、意外に重要視しているのは「声」だと思う。
 さて、昨今流行りのHip-hop系の音楽には、どうも食指が動かされない俺。40男ですからね。でも、ひとつだけ好きなグループがある。それはケツメイシ。どこが好きなんだろう?と考えた結果、「トモダチ」「花鳥風月」「涙」「さくら」など日本人の「ノスタルGスポット」直撃の哀愁系サウンドも勿論好きなんだけれど、何より俺は「ケツメのメインヴォーカリストの声が好きなんだ」、という結論に至った。花鳥風月
 彼(実は名前を知らない・・・)の声、とてもハスキーで、セクシー。
 閑話休題。ハスキーな声が何故セクシーなのか?それは、聴く者に「歌は吐息である」ことを想起させるからではないかと俺は思う。すなわち、恋人同士の甘い囁き、耳元での甘い吐息、のようなもの。
 ところで、ハスキー系の歌手は昔から内外問わず星の数ほどいる。王様は何と言ってもN・K・コール。女性ではB・ホリデイ。Rスチュアートもその代表だが、俺が一番好きだったのはイーグルスのDヘンリー。そう、ケツメのヴォーカル君は、Dヘンリーの声に近いような気がするのね。上手く言えないけれど、ただの苦しそうなしゃがれ声ではなく、いやらしく技巧に走るわけでもない、素直に油が乗ったハスキー声(なんじゃそりゃ?)とでも言うべきか。
 日本でのハスキーとなるとどうしても森進一、八代亜紀とかを想像してしまうが、ちょっと違うような気がする。桑田佳祐葛城ユキ内藤やす子もちょっと違う。しゃがれ声・ダミ声とハスキーとは、区別したいのだ。
 俺が思う素敵なハスキー声では、60年代は西田佐智子・ちあきなおみいしだあゆみなどがいい味。70年代アイドルではヒデキや淳子も適度にハスキーだったし、何と言っても80年代の聖子ちゃん。彼女なんかはそれこそ「吐息」路線で当時の年頃の男の子のハートを鷲掴みした典型的な例かもね。最近では、中島美嘉のメロウな中にもスーッと吐息が混ざった低音域の声がとてもいいと思う。
 そして、男性ではケツメのヴォーカル君。いつか、ソロで美メロバリバリの曲を歌ってくれないかな、と微かに期待しているのだが。