メモランダム20191022

●東京が札幌に

f:id:hiroc-fontana:20191022155742j:plain IOC東京オリンピックのマラソン開催地を札幌に決定した件。賢明な選択だと、個人的には思います。

 暑さ対策として沿道の舗装工事をしてきたのだとか、これまでいくらお金をかけてきたにしても、選手に万が一の事があったら取り返しがつかないですからね。暑さを想定して練習してきた選手たちや、チケットを買った人の嘆きが報道からは聴こえてきますが、選手にとっては練習はどんなコンディションでしてきたにしても決して無駄にならないでしょうし、チケットの方は払い戻される話もあって、うまくいけばお金が戻ってくるはずです。

 今回、酷暑の中でのマラソンは本当に大丈夫なのか?と、最初から懸念する声があったにも関わらず、工夫すれば何とかなる、と強行しようとしていた日本側に「外圧」が働いた格好ですね。クソ真面目でいながら、呆れるくらい楽観的で優柔不断な私たち日本人。いかにも欧米人らしい現実的な考え方をバシッと突き付けられて、いつもながら、降参ですね。

 それにしても、「東京」オリンピックを「札幌」で、って。こればかりは現実的というよりも、欧米人の大雑把さの表れ?と言えるのかも知れませんけどね。

 

蜜蜂と遠雷松岡茉優

 映画「蜜蜂と遠雷」、観てきました。


映画『蜜蜂と遠雷』予告【10月4日(金)公開】

 原作がとても面白かったので、映画化されると聞いたときから楽しみにしていた反面、「音」そのものを脳内で視覚化していくような原作の手法は、読者それぞれのイマジネーションが広がる小説だからこそ可能なもなのであって、それをいざ映像化してしまうと却ってイメージの広がりを制限してしまうのではないか?と危惧する部分もありました。しかしそんな心配をよそに、映画の仕上がりはことのほか良くて、原作の緻密な構成を大胆にカット&ペーストして、エッセンスだけを濃縮したような見事なつくり。映像も美しくて、見応えがありました。
 その中で私が感動したのは、主人公・栄伝亜夜を演じた、松岡茉優さん。

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 この人、バラエティ番組では女優感ゼロで何の違和感なくあっけらかんとしたキャラを発揮しているけれど、いざスクリーンの中に登場すると、その存在感だけで映画に深みが出てくる感じがするのが、凄いのです。私は「万引き家族」の彼女を観てそれを感じたのですけど、今回「蜜蜂と遠雷」を観てその思いを強くしました。今回は、少女期の出来事からトラウマを抱える天才ピアニストの役で、演技の大部分は、ピアノを弾いている場面の無言の演技。しかし、ピアノを弾く表情だけで伝わってくるものが確かにあって、そんな、表情だけで語れる女優は、いそうでいてそう多くはいません。ましてやバラエティ番組で見せる明るいキャラとの振れ幅を考えると、そこに計り知れない埋蔵量を感じさせてくれて、映画好きにとって、何だか得した気分にさせてくれる女優さんであると思うのです。
 目を見はるような美女ではなく庶民的な顔立ち。でもスクリーンの中では輝きを放つこのタイプ、他に誰かいたかな?と考えたのですが、あまり思い当たらなくて、ちょっと前なら小林聡美さんとかがそうかもしれないとか、ああ、キョンキョンが近いのかな、なんて思い当たったのですが、彼女達のように、本来のキャラとは違う様々な役柄で主役でも脇役でもきちんと存在感を示せる女優さんとして、これからますます活躍して欲しい人には違いありません。

 

●聖子さんと40年

 ご存知の通り、このブログは聖子ファンのブログでもあるのですが、過去のエントリーでアクセスを稼いでいる記事を読み返してみると、聖子さんのセルフ作品への不満を書き連ねた内容が多いのです。大体10年前くらいの記事で、アルバムで言うと30周年のMy PreludeMy Prelude(初回限定盤)あたり、今や懐かしい?リョー小倉とのベッタリ期で、30周年をよそに聖子さん自身がマンネリのドツボに陥っていた頃ですね。
そしていま、40周年を迎える聖子さんを見たとき、私は彼女にあの記事を書いた頃のような不満をあまり感じていないことに気付くのです。

 ここ数年の聖子さん、セルフ作品の作詞力は相変わらずながら(涙)、リョー小倉から離れてからはサウンド的には確かに進歩を遂げているし、他者とのコラボにも不定期ながらこだわりなく取り組み始めていたりもします。

特別な恋人(初回限定盤)(DVD付) 薔薇のように咲いて 桜のように散って(初回盤B)(ポスター封入) 永遠のもっと果てまで/惑星になりたい

(コラボシングル。ジャケットはセルフ作品と区別つきませんね…汗)

 何より、ジャズフィールドへの進出は、今の彼女のボーカル・声質を活かすにはベストの選択だったように思えて、それがここにきて実現しただけでも、ファンとしては一時のフラストレーションの大部分は払拭されたと言えるのでしょうね。 

SEIKO JAZZ(通常盤)

SEIKO JAZZ(通常盤)

 

  そう、不満を抱いていたあの頃、聖子さんには私たちファンの声は決して届かないように思えていたけれど、実は私たちの思いは、確かに届いていた…。
そういうことですね。

 改めて、そんな聖子さんに、感謝。そして、祝・40周年!


SEIKO MATSUDA 「Fly me to the moon」Music Video from 「SEIKO JAZZ 2」