投棄オリンピック

　メダル、獲れませんねえ。皇室のご懐妊のニュースを除けば、ちっとも良いニュースが聞かれない昨今、期待できるのはオリンピックだけだったのに、見事に期待はずれ。マスコミも困っているんじゃないかな？通常国会で繰り広げられる茶番劇を国民の目から逸らすには絶好のチャンスだったのにね。
　これほどまでに成績が悪いと「日本人は（やっぱり）ダメになってる」というような、悲観的な気持ちにさせられちゃうのは俺だけ？
　まあ、過去には東側の国々が国を挙げて体操や水泳の選手を育てて、オリンピックを国力顕示の場・国民の意気高揚の道具に使っていた時期があったし、確かに、オリンピックの成績は夏冬限らず、国がどれだけこのイベントを重視し、金をつぎ込んで選手を育てるか、に大きく左右されるのだろう。その点から言えば、日本は昔から変わらず「放任主義」だから仕方ないのかもね。
しかし、民間レベルでの取り組みや頑張りが大きくモノを言う日本だからこそ、今回のトリノでのお寒い結果は、不況と悪政のお陰で民力がダメージを受けている結果かも、という不安を感じさせるのだ。あまりに長く不景気が続いたおかげで、スポンサーがお金を出さなくなったり、一般の若者もスキーに行くお金が無くなって冬のスポーツ人口が全体的に縮小したりした結果が、今回の成績なのかもしれない、とね。
　だけど、そもそも冬季オリンピックって、宇宙服みたいに重装備して、板や刃物がついた靴やら乗り物やらに乗って超人的なスピードを競ったり空飛んだり、はたまたヒラヒラの服装で「氷上ダンス選手権」まがいの点取り合戦をしたりと、肉体ひとつで勝負する本来のオリンピックのあり方からすると、どうもスポーツとしての「潔さ」に欠ける気がするのね。それと、「クール・ランニング」なんていうコメディー映画ができちゃうくらいで、雪が降らない国々を最初から相手にしていない、というあたりも気に入らない。アフリカの国々を意識的に排除している気さえする。
だから日本も、冬季五輪なんて気にせずに、次回の夏の五輪こそ勝負よね。冬季の結果は投棄！なんて負け惜しみを言ってる自分もイヤなんだけど･･･。
　日本がこのまま不景気で、ますます貧乏になったら、装備だけでも金がかかる冬季五輪はいっそのこと棄権して、水泳とマラソンと柔道に命を懸ける、ってのはどうかしら？選手の層も厚くて国としてのメンツは守れるし、お金もかからないし。一石二鳥だと思うのだけど。