「覆面系」

 高校生の頃、実は一時期、作詞・作曲に凝っていたことがあって、ギター雑誌に投稿したりもしてたのね。今思い出すと凄く恥ずかしいのだけれど・・。で、ある程度曲がたまって来ると、頭の中で妄想が膨らむわけ。妄想ってばもちろん、俺の「デビュー・アルバム」のことね(笑)!
 それから、まずは曲順をどう並べようかと頭の中で何度もシミュレーションしたりして楽しむんだけど、最後に気付くわけ。「あ!アルバムジャケット、どうしよう」ってね。どうやっても、想像できないのだ。自分が写ったアルバムジャケットが(笑)。だってその頃の俺、ダサい横分けで学ラン着て銀縁メガネのニキビ面だったんだもの..。アーティストの人たち、アルバムジャケットにデカデカと自分の写真が載るって、どうなんでしょうね。一般人の感覚からすれば、すごくプレッシャーだと思うんだけど。
さて、そこで今回は、アーティストのルックスとレコード(CD)ジャケットの関係について、少し書いてみたい。果たして、アーティストのルックスとジャケットのデザインにはどれほど相関性があるのか・・・ということね。
 まず、俺にとって今まで最も衝撃的だった出会いは「小椋佳さん」だ。俺がまだ小学生だった頃、姉が彼のアルバムをよく聴いていて、俺も子供ながらに「艶のあるセクシーな声で歌の上手な人だな」と思っていた。そのアルバムがこれ。彷徨それでもって、てっきりこのジャケットの人が小椋さんだとばかり思っていたのよね。子供じゃなくても勘違いしちゃうと思わないこれ?それで、数年後に初めて本当の小椋さんをテレビで見たときの衝撃といったらもう!
 とりあえず、こうした何らかの意図が働いてアルバムジャケットに顔を出さない人をここでは「覆面系」と呼ぶことにする。
 この、小椋さんのようなケースはとりあえず「必要にかられて覆面系」と言えるのかもね。見せない方が、売れるよ、てやつ?子門真人とか、「のこいのこ」とか、アニメ系に多いような気がする、このタイプの方。子供の夢は、奪っちゃいけないものね(笑)。(そういえばユー●ンもデビューアルバムからしばらくは顔写真使ってなかったような気が・・・あ、いけない、これには触れちゃいけなかったわ・・)
 次に、売り方としてわざと露出しない「ミステリアス覆面系」というのがある。「TOMORROW」の岡本真夜とか、そうだったよね。TOMORROW
PVでも最初はシルエットとか鼻から下しか出さなかった。でも正体明かしたら本当にどこにでもいそうなフツーの顔(笑)。だからこそのミステリアス路線だったのでしょう、おそらく。
 ボニーPinkなんかも、どちらかというとこの系統かもね。あの作り込んだ音と日本人離れしたボーカルに、彼女の和風なキツネ顔は正直、似合わないものね。デビュー当初は赤い髪の毛ばかり強調して、あんまり顔出ししなかったのは多分、音楽のイメージを大切にしたのかな?Heaven's Kitchen
 この類似系としては大ヒットした「ポンポコリン」のBBクイーンズってのもあったね。なぞのミュージシャン集団っていうやつ。それがさらに話題を呼んで、セールスに繋げていくという、うまい戦略だったと思う。
 あと最後に、「メーキャップ覆面系」を忘れてはいけない。
 さあマッキー、あなたの出番よ!
 槇原くん、デビュー当時のアルバムジャケットは、とっても可愛かったよね。君は誰と幸せなあくびをしますか。でも「どんなときも。」が売れて実物をはじめてテレビで見たら、ちょっと吃驚。(ジツブツもそれなりに・・・か、かわいいけどね・・。)90年代以降はプロモも浸透してきたから、どんなアーティストもずっと覆面系でいられるわけでもなし、でも第一印象は大事にしたいってわけで、今はこの「メーキャップ系」が主流になっているのかもね。本人の写真ではあるけれど、とってもキレイに仕上げちゃう、ってやつ。コーダクーミンなんて、写真が懲りすぎていて、いまだに彼女の本当の顔、わかんないものね、俺なんか。
 その他のメーキャップ覆面系の方々は、独断で選べばこんな感じかな?↓
恋人よ愛情/can’t hold me backKiroroのうた1Mother Father Brother SisterCLOVER



 
あ、ごめんなさい。イチバン右の人は、覆面系とはいえないかも・・・鉄仮面?・・・。
 最近のミュージックシーンからはアイドルが消えて、一方でバンドやグループ系が中心になってきて、あんまりルックスにこだわらない(多少ルックスに難があっても「個性派」とか言われる)アーティストが増えてきたから、逆にキレイな人がボーカルをとってたりすると何だかとても魅力的に見えちゃったりするよね。そういう意味では、ルックスにこだわる「覆面系」ってのはもう、過去の芸能界の産物なのかもね。いい時代(シロートの時代)なのかな。