理解しなくても良い

 会津の母親殺し。肉親を、文字通り「肉」として扱ってしまえる神経を、果たして「少年の心の闇」などと言って分析する必要があるだろうか?ましてや、病んだ社会が生み出した必然の結果、などとして我々が社会問題として扱う意味があるのだろうか?
 二度とこのような事件が起こらないために、いったい我々がどのような手立てをすればいいというのだろう?答えはあるの?
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 可哀想なことに、彼には生まれつき必要な「感性」が備わっていなかったかもしれないのに。
 誰もが持つ「どこか欠けた部分」が、事件を起こした彼の場合、たまたま目立つ形で現れたに過ぎない、それだけかもしれないのに。
 彼の気持ちを理解しなさい、と言われても、俺にはどうやっても無理だ。もともとの感性が違うから。
 こんな特殊な事件を、あたかも「自分たちにもあり得ること」と少年たちに刷り込む張本人は、程度の低いニュースショウ番組のコメンテーターたちではないのか。事件を起こした彼の「心の闇」など、敢えて理解する必要もないのに。
 特殊な例、それを無理やり普遍化しようとするステロタイプの反応は、やめた方がいい。無理やりに「共感」することが却って危険な場合だってある。
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 そして最後は、この国の教育を何とかしないと、というお決まりの結論。
 求められる教育再生。奮闘する安倍くん。やれやれ、だ。
 そうして、たっぷりと毒を含んだ不要な情報だけが、真面目腐った顔のオトナたちの口を通じて、今日も無責任に垂れ流されていくのだ。