おかしなおかしなエコポイント

 やはり、おかしいものは、おかしい。よくわからないけど、おかしい!それはたとえば、ネガを裏返してプリントしたときに「ん?」と思うような、はっきりと何がおかしいのかはわからないのだけど、そこに絶対的にある「違和感」、みたいなものだと思います。
 そういう意味で、「おかしいこと」を目の前で非常にわかりやすく展開してくれているのが、アホー政権です。とくに週末の鳩山大臣辞任劇は、国民の過半数が西川社長続投に納得していない、と言われる中、コイズミ・竹中の売国奴コンビの暗躍が手に取るようにわかる結末でした。現政権はいまだに「コイズミ傀儡」政権であることを分かりやすく見せてくれとように思います。やはり、郵政選挙で得た2/3議席という「伝家の宝刀」ならぬ「悪魔の杖」を一度でも使った時点で、アベくんも、フクダ人形も、アホーも、「コイズミ傀儡」にならざるを得なかったのだと思います。哀しきかな、自民党。。。
 さて、そんなアホー政権ですが、彼らが打ち出した政策のなかでは、おかしい、と思いながらももうひとつ何がおかしいのかが分かりづらい例のひとつが「エコポイント制度」なのです。何となく「良いこと」のように見えるけど、どこか胡散臭い。それについて、とても「腑に落ちる」文章を見つけましたので、ここに転載(の転載)させていただきます。
 とても面白い分析だと思います。

らくちんランプ」さんより

 中部大学の武田邦彦教授がご自身のHPに、人工衛星による気象観測データの分析からも、地球の気候が小規模な寒冷化周期に突入していることと、CO2温暖化脅威説は世紀の暴論であることが明確になっているので、政策目標そのものが消滅している地球温暖化対策名目で、環境省総合環境政策局が政策立案したエコポイント制度に関連して、エコポイント制度が導入されたことを絶好の商機と捕らえて、エコ家電の拡販に奔走している製造メーカーと販売業者と、現在使用している家電製品は新品同様なのにエコポイント付きの家電製品に買い換えないと自分が損をするという理由で、家電製品を買い換えている人々に対するメッセージがアップされましたので、以下その全文を転載します。

(以下転載 文字の装飾・改行はブログ管理人)

 エコポイント考

 あまりにばからしくて,エコポイントという制度を勉強する時間も,考える時間も,もったいないような気もするが,何しろ約3000億円の税金が使われようとしているので,少しまとめてみたいと思う。
 エコポイント制度というのは,★印の多いいわゆる環境家電製品を2010年の3月31日までに買うとなにがしかのエコポイントを貰い,それでなにかの特典を貰うというものである。
 こんな事に3000億円もの血税を費やす理由は,「省エネルギー」だから,電力消費が少なくなり,その結果,地球温暖化の原因となるCO2の排出を減らすという大義名分があるからだ。
 これに対して一般的な反応は「まだ制度が良く分からないのに,見切り発車だ。こんなことでは,どうすれば得をするのはわからないじゃないか」というのが多い。
 でも,もちろん,事の本質はそんなところにあるわけではない。問題は3つある。
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 第一は,エコポイントは環境を改善しないことだ.たとえば,冷蔵庫の場合,もともと日本人は12年以上使える冷蔵庫を6年から8年で廃棄している。それは生活スタイルの変更や引っ越しなどにもよるが,技術革新が早いこと,テレビのコマーシャルで連続的に「魅力的な新製品」の宣伝が行われることだ。
 もっとも省エネルギーという点で優れた冷蔵庫を買い換えると一年で4千円ぐらいの節約ができるから,これを8年使えば32000円の節約になる。購入価格が20万円とすると,約17万円の損害である。
 もちろん,お金とエネルギーや資源は比例しているから,エコポイントで冷蔵庫を買うと約5倍の「資源浪費」になる。
 それより,多くの人が奇妙に感じたのは,大型冷蔵庫の方がポイントが高いことだろう。「大量生産,大量消費からの決別」という話はどこにいったのか? できるだけ小型の冷蔵庫を持ち,こまめに地場産のものを買って足を地につけて生活をしようと呼び掛けていた人はどうしているのだろうか?
 先日,テレビの女性のコメンテイターが「エコポイントを上手に使う方法」を解説していた。その人は確か「エコ派」でついこの前までは「もったいない」などと言っていた人だった。
 誠を捨てた日本人を見るのは辛い。
 エアコンもエコポイントの対象になっている。これももっとも省エネルギー率の高い商品を買うと1年で1万円も安くなると言う.よくよく調べたら,「一年中,エアコンをつけっぱなしにする」という仮定だ。
 私の住んでいるところが恵まれているのかも知れないが,私がエアコンをつけるのは12月から2月,それに7月中旬から9月中旬の年間6ヶ月で,それも家にいる時で寒かったり暑かったりする時だけだから,せいぜい,6時間程度だ。だから年間2分の1,その4分の1の時間だから,総合すると8分の1。つまり年間1万円というのはせいぜい2千円だろう。これを8年使っても16000円にしかならない。
 エアコンの場合は,もっと別の問題がある。環境を改善するには「エアコンのいらない街」が必要で,夏やそよ風,冬は太陽の恵みをうけて生活をするのが日本のスタイルだ。
 エコポイントがあるからといってエアコンがふえ,タダでも暑い真夏にお隣さんに熱風を吹き付けるのは,エコでも何でもない。3000億円あるなら,ヒートアイランドを防ぐために,河川や公園の整備がずっと良い。
 最後に「ジデジテレビ」だが,これは「エコ」とは全く関係がなく,「より快適なテレビを見るために,使えるテレビを捨てる」という事だ。このことでは環境省は「リサイクルしていますから」とウソをついているが。環境省というのはウソの常習犯で,大臣までウソをついても謝らない役所だから,このぐらいは平気だろう。
 100歩,譲ってジデジは通信上,必要な事としよう。その場合,まだ使えるテレビが大量に出るのだから,それを必要とする国と2国間で交渉して,最終的な廃棄物と修理についての約束をして輸出するのが良い。
 事実,「リサイクルに回される廃家電」ということも不誠実で,そのうちの50%以上が,闇で発展途上国に回されているのだ。
 そうなると,業者はリサイクル料金と中古販売代金の二重取りになり,批判を浴びるので,エコポイントではリサイクル料金はすべてまかなう事になっている。税金を特定の業者に渡す典型的な例である。
 我々は特定の人が儲かるために税金を払い続けている。
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 でも,もっと根本的なことがある。
 かつて税金で「誰も通らない道路」が建設され,批判を浴び,道路公団の総裁は国会でつるし上げに遭い,税金を道路に投入できなくなった。
 「誰も通らない道路,狸しか通らない道路」というのは象徴的な言い方で,本当は地方の発展には役立つ。地方は人は少ないが,もちろん生活道路は必要だからである。不特定多数の人が恩恵を受ける。
 ところが,今回のエコポイントは「公共性のある道路」ではなく「単なる個人の買い物に税金を出す」というのだから驚く。
 つまり「エコポイントで買い物をする」という人は「乞食」なのだ。自分の家の冷蔵庫,テレビを「税金を貰って買う??」というのは実に奇妙だ。私はどんなに貧乏でも,自分や家族が使うものは自分が払う。その範囲で人生を送れれば,それでよい。
 補助金太陽電池をつけている家を見ると,私は「エコ乞食」と呼びたくなる。
 私たちは政府を作るのに,「国民一人一人ではできないような全体的なこと」を依頼したはずであり,いったん,税金を取ってそれを特定の個人に渡すことを頼んだのではない。
 この制度は「いつも税金を貰って,個人的に使っている官僚」が考えそうなことだ。
 彼らは「高級官僚」でも何でもなく,単なる「税金乞食」である.ここをハッキリさせておきたい。
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 もうひとつ,基本的なことがある.それは「我々は質素にやっていくのか,それとも内需拡大か」ということに最終的にケリをつけることだ。

 産業を発達させ,所得を倍増し,快適な家,家電製品,高級車(ハイブリッドカー)の生活こそはすばらしいと感じる人がいる。(L型人間)
 産業はそこそこにして,あまり贅沢をせず,歩ける範囲は歩き,実感のある生活こそが良いと思う人がいる。(E型人間)
 でも,残念ながら,現在の日本人の多くはどちらでもない。不景気にあるとL型,デラックスな生活をしているときにはE型だが,それが一番,醜い。つまり。場合によってコロコロ変わる人だ。
 また,自分はL型なのに,人にはE型を勧めると言う人も多い。所謂,二重人格者だ。
 今回の金融崩壊でアメリカとヨーロッパの金融は崩壊したが,日本は製造業が崩壊した。それは日本は製造しているものを日本人が使わずに,外国に販売し,日本は世界の召使いになっているからだ。
 これを克服するのは「内需拡大」しか方法がないが,内需拡大とは日本国内の大量生産・大量消費である。
 あなたはどちらなのだ! とエコポイントは聞いている。
 まさか,これまで「質素な生活こそ」と言っていた人が,人のお金(税金)をもらって家電製品を買いあさる事はないと思う。それだけは止めてくれ。
 自分が儲かれば,魂を捨てる・・・人生で魂が試されるときと言うのは,「お金と愛」,「お金と誠」を選ばなければならないとき,「愛」と「誠」を選ぶことだ。
(平成21年6月4日 執筆) 武田邦彦

(転載終わり)

 小金持ちたちのささやかな消費の楽しみを「エコ乞食」とまでは言いたくはありませんが(笑)、たしかに目の前にぶら下げられたニンジンに踊らされて右往左往している国民にも問題はあると思います。

 ところで、アソー政権、いよいよ末期症状ですね。タロー氏、党首討論ではどの面下げて出てくるつもりでしょうかね。ひとつのヤマ場となりそうな予感です。