30周年アニーバーサリー

 もう、お金がいくらあっても足りない感じ・・・。Precious Moment(DVD付)
 セイコさんが今年で(正確には、来年?)デビュー30周年を迎えるにあたって、ソニーさんが仕掛けてきたのよね。80年代にリリースされたオリジナル・アルバムをデジタル・リマスタリング&ブルー・スペックCDの高音質仕様で再リリースするらしいスペシャル特典として、各アルバムの収録曲の中からヒット曲1曲(たった1曲だけ? by hiroc-fontana)の80年代のライブ映像(オリジナル編集)もしくは当時のプロモ−ションビデオを収録したDVDが付く、とのこと。
 圧倒的な「声の存在感」で鮮烈な印象を残したファーストの『SQALL』、若さハジケる中にも意外にしっとりと柔らかなボーカルが際立つセカンド『North Wind』、松本隆との運命的な出会いを果たした『SILHOUETTE』、ナイアガラサウンドの洗礼を浴びながらブリッコ歌唱を確立させた『風立ちぬ』、初期の初々しい作品群。
 82年から83年にかけての4作品、『Pineapple』『Candy』『ユートピア』『Canary』は、ユーミン作品を中心とした様々なアーティストと組んでアイドル絶頂期を迎えた時期の、駄曲がほとんど見当たらないという驚異の傑作アルバム群。
 そして、メルヘンチックなコンセプトアルバム『Tinker Bell』、カラフルで少し大人びたポップスに挑んだ『Windy Shadow』、一時的に松本隆から離れて女性作家たちと組んだ実験作『The 9th Wave』、そして初の全編英語、海外録音盤『SOUND OF MY HEART』まで、結婚休業前の80年代中期にリリースされたバラエティに富んだ作品群。
 更に、結婚・出産を終えてカムバックした後の、松本隆入魂の濃密な内容の3部作『SUPREME』『Strawberry Time』『Citron』。
 最後は、初めて全曲セイコ本人の自作詞で賛否両論を巻き起こし、結果80年代のセイコ・ドリーム終焉を決定付けた89年の作品『Precious Moment』まで。
 こうして見ると、やっぱりこれら80年代のセイコのアルバム16作品ってのは、スタッフをはじめ作家陣や参加アーティストやセイコ自身のボーカルのクオリティを含めて、大袈裟でなく日本のポップス界の金字塔、至宝よね。これらの「至宝」に2009年の音で再び逢える、というだけでファンはもう、嬉しくて嬉しくて。実際、これらの中では鬼っ子的存在の『Precious Moment』でさえ、今となっては新しい音で聴けるのがとても楽しみだったりする。
 でもね、ソニーさん!これだけは言わせて!
 な・ん・で、1枚2,980円も取るのよ!「まとめ買い」コースも用意しているみたいだけどさ、16枚入りで47,680円って、全然割引がないじゃん。いくら特典が付くからって、トレカとか専用収納BOXなんかより、最低でもCD1枚分位は、サービスしていいんじゃない?てか、だったらアマゾンの予約割引で買うわよ。
 それにもうひとつ。オリジナル・アルバムは確かに嬉しいけれど、これだとアルバム未収録の「小麦色のマーメイド」や「ガラスの林檎/sweet memories」とか、重要曲がハジかれちゃうのよね。シングルB面の数々の名曲も、『Snow Garden』や『金色のリボン』といった企画盤に収録の名曲たちも全部、ハジかれちゃう。
 思えば数年前に一度企画されながらも突然発売中止になった『Seiko Matsuda Premium Box'80〜88』は、そういったアルバム未収録曲の復刻はもちろん、紙ジャケ仕様で価格31,500円だったから、あの企画が実現していたら・・・と悔やまれるわ。まあ、今回はバラ売りが主体のようだから、価格なんかは仕方がないにしても、、『Snow Garden』をはじめとした企画アルバムをラインナップに含めなかったのは、明らかに失敗だったと思うよ、ソニーさん。それとも追って発売される『BIBLE』シリーズの最新盤に、それらの曲を全部入れてくれる腹積もりなのかしら。だとしたらそれこそ、ファンは財布がスッカラカンになっちゃう・・・。
 ところで、いよいよアニバーサリーイヤーのセイコさん、今年はオリジナル・アルバム出さないのかな、と思っていたら、こんな感じで動いているみたいです。またまた洋楽カバーって・・・ホントかしら?