「not alone〜幸せになろうよ〜」SMAP

スマップ・エイド(しあわせのYELLOW-AIDハンカチ、げんきのRED-AIDハンカチのいずれか1種封入)
 「セロリ」とか。「夜空ノムコウ」とか。「らいおんハート」。「世界に一つだけの花」。「freebird」。「Triangle」。そのネームバリューにモノを言わせて色んな作家に贅沢に曲を頼んで、その結果厳選されたイイ歌がいっぱいあることは知ってて。。。
 でも、そんなこともどこか、天下のジャニーズ事務所が、ギョーカイでの影響力を最大限に行使して(ジャブジャブおカネもかけて)ありとあらゆる場所から集めた優秀なスタッフが作り上げたからこその、当たり前の結果としか思えなくて。
 だから俺、いつもSMAPを「無視」してたのだ。いくらイイ曲を出しても。
 この意味、わかるかしら?
 つまり、単なる音楽のクオリティだけではなくて、タイアップなどのメディア戦略をはじめ、高値感を演出するデザイン&アートワークや、話題性を上げるためのコンセプトづくりまで、とにかく「売る」ことに長けた集団が寄ってたかってこのグループを後押ししてる。。。そんなところが、嘘くさくって、イヤだったのだ。絶対、騙されないゾ!みたいなね(笑)
 でも、悔しいけれど初めて、彼らのCDを買ってしいました。「not alone 〜幸せになろうよ〜」が聴きたくて(赤面)。
 この曲、テレビで何気なく流れているのを聴いたとき、何だかとても懐かしい気がして「ああ、イイ曲」と素直に思えたのだ。でもそれきりしばらく忘れてて、二度目に聴いたとき、歌詞にもジンときて「やっぱりイイ曲!」ということを確信して。でも残念ながら、配信限定でCDショップには売ってなくて、ダウンロード嫌いの「おじさん」はあえなく撃沈(笑)
 それが晴れて大震災のチャリティーも兼ねたベスト盤「SMAP AID」に収録されることになったと聞いて、hiroc-fontana、こちらを思い切って購入したのだ。震災をネタにしてまで売ろうとする(商売上手な)SMAPスタッフにいつもながら反感を覚えながらも、売上げの一部は寄付されるそうだから、この際目をつぶっちゃおうかと。
 さて、改めて聴く「not alone 〜幸せになろうよ」、どこか70年代初期にヒットした「Alone again」(G.オサリバン)と「Saturday in the Park」(シカゴ)をミックスして、ビートルズリバプールサウンドのフレーバーをほどこしたような曲で、だからオジサンには「懐かしい!」と思えたのね。メロディーはメジャー系なんだけど全編に溢れる“哀愁”がたまらないのよね。作曲は菅野よう子さん。

 あの日ぼくたちは もう一度生まれた
 同じひとつの こころが生まれた
 〜中略〜
 遠く離れた きみが今見る空は
 ぼくの見る空と 同じだと気付く
 たからものだね 想像の力
 いつでもどこへでも やさしさ飛べるさ
  (作詞:権八成裕

 歌詞のほうはあきらかに震災後の心をテーマにしたもの。いささか気恥ずかしくなるくらいの、悪く言えば“キレイ事”を並べたような詞なんだけれども、あの大惨事を経験した日本人としてはいつまでも“人々がこうあってほしい”という「祈り」を込めて、俺はこの歌詞を受け入れたいのよね。

 他人が出逢って ぼくたちは生まれた
 だれかを信じる 遺伝子でできてる

 イイ曲は多いけれど、「棒読み」ならぬ「棒歌い」ばかりで、いつもボーカルはビミョー・・・というのがSMAPの印象だったのだけど、このアルバムを聴いた限りでは、香取くんを筆頭に最近はウタにも力をつけているのも確かなようで(ナ・・ナカイくんもね 苦笑)、さすが20年選手、とも思えた。おおきなココロで、認めちゃおう、SMAP万歳。