シンガー・ソングライター・シンガー

 まずはこの曲を。八神純子さんの4thシングル。「さよならの言葉」。
https://www.youtube.com/watch?v=Yp_2XmH02WM思い出は美しすぎて【Blu-spec CD2】
 この美しい曲、八神さんの透明感のある歌声にぴったりで、ワタシの大好きな曲。でもね、この曲、八神さんの自作曲じゃないんですね。作詞作曲は小野香代子さんという方。ポプコンでグランプリを獲りながらも結局はレコード化されず(ご本人がすぐ留学してしまったとの話)、当時ポプコンの“顔”的な存在だった八神さんがオトナの思惑に押されて、仕方なくカバーした、というようなお話。でもね、そんなことは感じさせないくらい、彼女にピッタリな名曲だとワタシは思ってます。残念ながら全然ヒットしなかったけどね。
 さて、そんな流れで今回は「シンガーソ・ングライター・シンガー」と題して、いわゆるシンガー・ソングライター(作家さん)が、色々なイキサツから他人の作ったウタを歌った曲を集めてみました。
 
 竹内まりやさん。この人、デビュー当時は“アイドル仕様”のシンガーだったんですよね。だから、曲も作家が作った作品を歌っていました。CMソングにもなった1980年作品「不思議なピーチパイ」は作詞:安井かずみ、作曲:加藤和彦という、音楽界に名だたるオシドリ夫婦の作品。でも当のまりやもその後、ダンナのタツローと共作でアピールして“オシドリ夫婦”ぶりを存分に発揮、リア充ぶりを振りまいてますね。やっぱ彼女、負けず嫌いかしら? 

 
 続いてはNOKKO「人魚」。この方はまあ、シンガー・ソングライターと言ってもどちらかと言えば、シンガー寄りかしらね。この曲の作詞はご本人ですけど、作曲は歌謡曲の大御所・筒美先生。もともとジャンルを超えた名曲を多数生み出されてきた筒美京平さん。90年代はNOKKO以外にもオザケンとかピチカートとか、自らと親和性のある素材を見つけては素敵なコラボを繰り広げてくれていました。

 
 シンガーソングライターの多くはある時期、創作作業に疲れてしまう瞬間があるみたいで。結構、カバーソングに挑戦していたりします。でもこれは、シンガーとしての自信がなければできないこと。
 以下お三方は、シンガーとしても存分に実力と魅力を備えているのは確かかも。
 スピッツ「タイムトラベル」。(作詞:松本隆、作曲:原田真二

 井上陽水「コーヒー・ルンバ」。(作詞:中沢清二 作曲:ホセ・マンソ・ペローニ)

 椎名林檎木綿のハンカチーフ」(作詞:松本隆、作曲:筒美京平

 
 トリは、吉田拓郎さん。吉田さんが初めて他者に依頼したオリジナル、作詞・作曲は中島みゆきさん。「永遠の嘘をついてくれ」。この曲はそのままタクローさんの自作曲のように聴こえてしまう、奇跡みたいな曲。今回は、この曲で締めます。
Long time no see
 
 それではみなさま、素敵な夏をお過ごしください。