宇多田ヒカルは何処へ

EXODUS
 昨年秋にアメリカでリリースされたUtada「EXODUS」、発売前は期待いっぱいのマスコミがあちこちで取り上げたが、結局いまだに全米トップ100入りはならず、その後はマスコミも沈黙を守っているように見える。まだセカンドシングルの発売も控えているようだし結論は出ていないわけだが、巻き返しは難しいかもしれない。
 さて我々、一般大衆側としては、邦楽史上最高の売上を誇る天下の「宇多田ヒカル」が全米ではほとんど歓迎されなかった、という事実にどこか寂しさを感じる部分がないだろうか?(宇多田ヒカルはベスト盤しか聴いたことのない俺でさえ、どこか「バツの悪さ」を感じざるを得ないのだ。)日本人はアメリカ至上主義から脱却しろ、などと言われていても、宇多田ヒカルが鮮烈デビューを飾った時のウリは「帰国子女による本場のR&B」という感じだったのだから、それに飛びついた我々はやっぱりアメリカの音楽に絶対的に憧れていたわけで。そんな中、自身満々で打って出た彼女も「ウタダよ、お前もか・・・。」と言いたくなるような玉砕となると、結局日本人にとってはアメリカ音楽界は手の届かない世界という、あきらめに似た気持ちにさせられてしまうのだ。
 マスコミにもそんな心理が働いているから、最近の沈黙現象が起こっているのかもしれない。(カネにモノを言わせて事務所が緘口令を敷いている、という見方もあるけど、それは穿ちすぎかな?)もっとも、800万枚というセールスは、今後のJ−POP界ではおそらく超えるものは出ないだろう。そのNO.1アーティストをバッシングしてトップから引きずり下ろすことは賢明ではないと思う。たとえ結果が出なくても、かつてのピンクレディー松田聖子にしたような、醜いバッシングだけはやめてもらいたいものだ。
 俺は宇多田ファンではないのだけど。以上。