「ガープの世界」

 ということで、大好きなこの映画の紹介を。
 原作ジョン・アーヴィング、監督ジョージ・ロイ・ヒル。1982年作品。
 好きな映画は?と聞かれたら、俺は「知らないだろうけど」と前置きして真っ先にこの映画を挙げたい。多感な10代後半に初めて二番館(死語だね)で見て、それ以来ずっと俺のNo1なのだ、この映画。主演は若きロビン・ウィリアムス。それ以外にもグレン・クローズジョン・リスゴーさらにはジェシカ・タンディアマンダ・プラマーなんかもチョイ役で出てたりして。今見ると俳優陣も凄いの。ごった煮の、エピソードを積み重ねた映画なんだが、主人公ガープの誕生エピソードから始まって、結構、エグイ話が続出。何?何?と興味をそそられるうち、ガープと一緒に成長し、恋をし、悲しみ、最後には、ああ、生きてるってこういうことだよな〜、と妙に温かい気持ちになっている自分に気付く。そんな映画。
 映画は主人公ガープの成長とともに進んでいくが、青臭い希望に突き進んでいる若いガープがふと学生時代のノスタルジーに浸ったり(ブラインドを開け閉めするとデフォルメされた思い出が窓の外に浮かび上がる、この場面がとてもいい!)、強烈なエピソードをもって夫婦の崩壊と再生がもたらされたりといった、行きつ戻りつの人生の波がストーリーにしっかりと反映されている。
 グレン・クローズ演ずる母親が突然、作家として時の人になり、しまいに暗殺されたり、とフィクションはフィクションなのだが、ストーリーの根底に流れるものが、ものすごく「人生」のオーソドックスな部分に近いためか、同じようなヒューマン・ストーリー(こんな言葉あったっけ)の代表とも言える、「Forest Gump」が安っぽくさえ見える確かな感動がこの映画にはあると思う。
 そうそう、この作品、音楽の使い方もセンス良くて、最高なのだ。またじっくり見たくなってきた・・。

ガープの世界 [DVD]

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