アウトロー

 茨城県警の巡査長(25才)が麻薬所持の疑いで逮捕。
所持していた麻薬が、ほんの4月までは簡単に入手できたという脱法ドラッグ「ゴメオ」、逮捕された場所は新宿○丁目との報道だ。ということはこの巡査長、きっと「お仲間」だったのね。
 おそらく今回のことで警察官としての将来は絶たれてしまうだろうし、彼の人生は大きく変わらざるを得ないだろう。
 先週末に上野のバーで飲んだ時、陽気なオネエさんたちのオシャベリが小気味よくて、久しぶりに楽しめたんだけど、彼ら(彼女ら?)がこんなことを言ってた。
どうせこの国なんてお先真っ暗なんだし、アタシたちが未来に残せるもんなんて何も無いんだから、ゲイは「生きてるうちに遊んでなんぼ」なのよ! 
確かに、そうなのである。ゲイは結婚もせず子供も持たないから、束縛も少ないぶん(親の介護や自分の老後の心配はあるが)、とことんまで享楽的・刹那的な生き方を極めることが可能なのだ。それは実は虚無感の裏返しであったりもするのだが、ここでは置いといて。
 そういったゲイ独特の考え方には、少し「アウトロー」的な意識があるような気がする。ちょっと、社会の裏通りを歩いているんだ、みたいな。
 だが、「アウトロー」意識には、社会常識からの逸脱行為につながりやすい危険性が潜んでいるような気がするが、どうだろうか。どうなったって知ったこっちゃ無い、とか、オモテの人間にはわかりっこないサ、みたいな感覚。あと、ベツに人に迷惑かけてるわけじゃないじゃん、みたいなのもある。
 冒頭の巡査長がどうだったか、はわからないが、俺としては、自分は「マイノリティ」ではあっても決して「アウトロー」ではない、と思いたい。少数派だけど、この社会の一員であって、そこから弾き飛ばされているわけじゃない、ってこと。それを忘れずにいないといけないな、と自戒させられるニュースだった。(おっと、自分はドラッグには一度たりとも手を出したことはないよ。)