日常に潜む恐怖〜ほの暗い水の底から

hiroc-fontana2005-08-03

 男の汗はセクシーだ。なんて誰が言った?
 40にもなれば、汗とともに長年蓄積された老廃物が毛穴中から噴出して、顔はベタベタとテカるし、二重になった顎の下はヌルヌルするし。そんな自分が許せない!ゲイなんだもの!
 そんなわけで俺は仕事を終えて家に帰り、冷えた缶ビールで軽く喉を潤したあと、至福のバスタイムを過ごしていた。ふー、快感。もと通りのキレイな自分に戻っていく〜。
 頭から強めのシャワーを浴びていた。そのとき。
 ん?(コポコポ・・コポコポ・・。)
 足元が変だ。ぬるいぞ。
 目を開けると、シャンプーで白濁した水が床にどんどん溜まっていく。
 え?(コポコポ・・コポコポ・・。)この音は?
 排水口のふたが、浮き上がっている。おそるおそる開けてみる。
 うぎゃあああおう。(By あゆみ・いしだ「姑獲鳥の夏」-写真)
 排水口から毛、毛、毛・・・。それは真っ黒い海藻のように水の底から湧き上がっていた。
 ふたがあるばかりに、「臭いものに蓋」よろしくそこから目をそらし続けていた俺。いつまにか体から抜け落ちた毛が、黒いタワシのように排水口に群がっていたのだった・・。
 何より恐ろしかったのは、掃除しなかった数週間の間に、こんなにも抜けていた俺の毛。 しのびよる○ゲの恐怖。
 ちなみにあゆみさんのインスピレーションはアンテナサイト「魅惑のモナムール」さんからいただきました。(とてもキューート&ちょっぴりブラックな笑いを提供してくれる、オススメのサイトです。)