年末に想う

 週末に新宿の伊勢丹に行ったら、すごい人出だった。年末のボーナス&クリスマスシーズン、ということもあるけど、景気はやっぱり上向きなのかなあ。ワタクシ的には全然上向き感はないのにね。
 その一方でこの国の国家予算はもう、破綻寸前。なんだか、おかしい。18年度予算案なぞ見てみましたが、酷い、酷すぎる。http://www.mof.go.jp/genan18/yosan.htm
 一応、新規国債発行30兆円切りました、とか、公債依存度が4年振りに4割切りましたとか、国は一生懸命に財政建て直し進めてます、みたいにアピールしているけれど、定率減税廃止だとか、社会保険料の料率アップだとか、結局は国民への負担押し付けばかりじゃない。ここまで傷口を広げ続けてきたのは一体だれ?と言いたい!
 「障害者自立支援法」だってそう。障害者も地域に溶け込んで自立した生活ができるようサポートしよう、というスローガンは良いけれど、結局は福祉の切捨てにほかならない。そこにあるのは、自己責任というキレイ事であり、それは裏を返せば「福祉が欲しけりゃ金を出せ」「今までは面倒見てきたけど、もうこっち(国)も駄目だ、あとは自分で適当にやれ」暗にそう言っているようなものなのね。目的が歳出削減であるのがミエミエなのだ。とても残念なのは、それを周りの友人に話しても、「今までが過保護過ぎだったのだよ」「これ以上税金は出せないだろう?」という意見が少なくないこと。
 このままでは、富める者は益々富み、貧しい者はますます貧しくなっていくばかり。自分もそうだけど、どうも、この国の人全体に、優しさとか、人を思いやる余裕が無くなって来ているような気がしてならない。国も、国民も、みんな自分を守ることに精一杯で。自分が勝てばOKであって、そこに弱者への思いやりや、「負け組」側の立場を考える「想像力」が無くなっている感じ。一方的な見方が蔓延しているような気がするのね。
 「まあ、それが競争社会、資本主義社会なのさ。文句言ってるヒマなんてないよ。ぼやぼやしてると負けちゃうよ。」華やいだ年末のデパートで、何だかすれ違う人という人、みんなからそう言われてしまったような気がして、デパートを出たら、新宿の街角に吹く風がとても冷たく感じた。そんな2005年末。