破壊王の足跡

 昨日の「TVタックル」を見て思ったが、今更という感じはあるがようやくマスコミにも小泉政権の5年間を客観的に見、批判すべきところは批判しようという姿勢が見えてきたように思える。森田実さんもHPの論説「森田実の言わねばならぬ[287]http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/」で、

 「やっと」というべきだろうか、大新聞が小泉首相の“異常”を論じ始めた。大新聞は、遅ればせながら、小泉首相の“異常”に気づき、小泉首相批判を始めた。以下、各紙の社説の見出しを紹介する(理性を失ってしまった産経新聞は例外)。
 (1)朝日=耳をふさぎ、目を閉ざし
 (2)読売=「心の問題」だけではすまない
 (3)毎日=こんな騒ぎはもうたくさんだ
 (4)日経=ひとりよがりの小泉首相靖国参拝
 (5)東京=これで終わりにしたい
 [産経だけは相変わらずの小泉首相全面支持の社説=国の姿勢示した小泉首相]
タイトル「小泉首相靖国参拝を論じた大新聞の社説にあらわれた“小泉離れ”。大新聞は平和主義に立て! 民放テレビは日中対立を煽りたててはならない」

と書かれていた矢先。
 「TVタックル」では、いかにして小泉さんが自民党をぶっ壊してきたか、という視点が面白かった。邪魔者は身内であろうが恩人であろうがすべて排除、そして出来上がったのは民間の幅広い見識を生かすという名目の、経済諮問会議という実質「意思決定機関」であり、小泉独裁政権であった、というわけだ。経済諮問会議では、当然関係民間企業に都合よく政策が誘導される力が働くわけで、小泉政権の5年間は結局彼ら一部の財界人に政府が乗っ取られたも同様だったということだ。さすがにそこまでのコメントはなかったが、自民党参院幹事長の片山氏までもが、与党の総務会をもスルーして政策決定がなされてきたそのいびつさを実質、認めていた。自民党内でも多分嫌っている人、多いんだろうね。彼(コイズミ)のこと。そんな感じが伝わってきて少しスッとした。(犠牲者・植草さんのコラムを見ると5年間で「彼ら」のやってきたトンデモないことが伺い知れる。りそな銀行救済の経緯は必読だ。→http://web.chokugen.jp/uekusa/2006/02/2_4567.html
 いずれにしても。小泉政権はもう終わるのだから、オトナ対応の中国・韓国同様、もう大騒ぎせずに先を見据えていきたいものである。小泉さんのことは、考えるだけムカツクし。
 TVでは最後に大竹まことがこんなコメントをしていた。「次期選挙でこんな自民党には投票したくない。でも、民主党にも安心して任せられない。どこにも投票できなくて国民は困ってしまうんだ。」本当にそうなのだ。小沢さんは小泉さんより言っていることはマシだけど、ダーティーで危なっかしいウワサは絶えないし。彼が首相になっても、良くて5年前に戻るだけ?のような気がしてきちゃう。ま、それでもまだマシ。というのが本当に悲しいこの国の現実。
 さて、この国の首相(総裁候補)の現実は、ロシアでの行きすぎた示威行動に対する抗議もせず、首相の靖国参拝批判をした加藤代議士への「暴力による言論弾圧」に対する抗議もせず、夏休みをきっちりとったそうだ。マスコミもこの怠慢を一切追究せず、「ハンカチ王子」なる新しいヒーローづくりに躍起だ。どのチャンネルも、いつもながらの大騒ぎ。やれやれだ。