この国がする「弱い者イジメ」のセコさ

 コイズミタケナカの売国冷血コンビが財務省と組んで作った悪法「障害者自立支援法」のヒドさは前にも書いたけど、それが本格施行になったこの10月、こっそりと、あまりにもセコくて憎むべきことが行われたので、それを書いておきたい。
 障害者自立支援法では、国の財政難を理由に福祉もカネで買う時代になったなどと言って、障害者向けの福祉サービスもすべて自己負担が発生することになった。そのためにわずかな障害者年金で生活してきた障害者たちが、日常生活に不可欠なホームヘルプサービスを使ったり、わずかな工賃を稼ぐために作業所に通うのにさえ、費用がかかるようになった。結果、生活が困窮して日常生活さえままならなくなって、そうしたサービス利用を差し控える障害者の人たちも増えてきた。彼らは「自立」どころか「排除」されつつあるのである。
 しかしそうした事実を認めようともせず、経済的弱者に対する例外的緩和策や所得に応じた減免策は既に手を尽くしている、と言い張る、国・政府。
 そんな政府はこの10月の法全面施行に際し(どさくさまぎれに)事業者に対して、利用者の自己負担額の計算書類や計算方法の変更を告示してきた。細かな説明は一切なしに、である。
 その計算方法の変更があまりにセコいので、俺はブチ切れているのだ。
 何故かというと、これまで一回の利用ごとに、1円未満の端数を「切り捨て」で計算してきた利用料を、1ヶ月の集計までは端数処理せずに月末でまとめて端数処理しなさい、としているのだ。それも、「公費負担分を切り捨て」るという表現。つまり残りの自己負担分は「端数切り上げ」になるのだ。
 この計算方法に切り替えると、障害者の人たちから見れば、月額で一人当たり10円〜数百円程度の「実質値上げ」になる。
 しかし国からみれば、障害者数を100万人としても数億円の収入増となるわけだ。実際の障害者の人の数、利用している福祉サービスの種類を考えれば、かなりの費用が「浮く」わけだ。
 確かに、告示前、9月の時点で政府関係者が集まった会議資料には今回の計算方法変更が資料として出され、関係者には配布されていた。しかし、それで説明責任が果たされ、利用者をはじめ国民が納得していたかといえば明らかにウソだ。分厚いだけの資料など詳しくは見るはずもないことをいい事に、するっと既成事実を作ったことはミエミエだ。ホントにセコい。
 障害者自立支援法は成立したとき以来「悪法」として関係者から非難が止まない。そんなさなか、さらに弱い者イジメともいうべき「値上げ」を敢行した政府。それもあまりにもセコいやり方で。反発されることがわかっているから、やり方はどんどん姑息になる。そして、最後は開き直り。泣きを見るのはいつも、弱い当事者たちなのだ。マスコミにボカされている一般大衆には、何も知らされないままにね。