おすすめ本〜「身につけよう!江戸しぐさ」越川禮子著
- 作者: 越川禮子
- 出版社/メーカー: ロングセラーズ
- 発売日: 2006/10/01
- メディア: 新書
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問題は、「想像力の欠如」。そこに尽きると思う。みんな自分の都合しか考えていない。周りにはどう映るか、国民はどんな風に思うかなどはお構いなし。
上がそうだから、いまは日本中みんな底抜けの自分勝手な世の中になっちゃった。自分さえ良ければ他人の迷惑など顧みない人ばかり。
自分の都合ばかりで傍若無人に動くのは、この本で言うところの稚児しぐさ。それは江戸では大人気なく軽蔑の対象でしかなかった。その前に人様といかに心地良く付き合うか、ひいては人様をいかに気持ちよくさせるか。常に関わる相手の気持ちを想像しながら、そうした態度を自然に身に付けるところまでいってしまう、それこそ大人の「江戸しぐさ」。
この本の帯のコピーはこうだ。
江戸しぐさは「共により良く生きる」ために、上に立つ者こそが心得ておかねばならない「融和のしぐさ」「平和のしぐさ」であり、人類の貴重な無形文化財である。
「上に立つ者こそが」。これだよ、これ!
まだ今も、われわれのDNAの奥底に眠っているに違いない「江戸しぐさ」。その振る舞い、それがいかにスマートで美しく、合理的でかつ人に優しいものであるか、少しずつでも我々年長者が実践して後輩に見せること。それが一番の「教育再生」への近道なんじゃないか、そんな気がした。センセイ方にこの本、ぜひ読んでもらいたいくらいだ。忙しい人にもすごく読み易いしね。
ちなみに俺、電車で人を掻き分けて降りるとき、ひとこと「すみません」と必ず声かけすることを実践しているのだ。みなさんも、そのくらいは是非、ね。