どうなのよ、都知事選。

 石原知事の傍若無人厚顔無恥な言動と行動に辟易していた都民にとって、ようやく出馬表明した前宮城県知事・浅野氏は唯一の頼みの綱と言ったところだろう。だがしかし、浅野氏も露出が増えるに従い、さまざまなマイナス要素が明るみに出てくることになり、やや冷や水を浴びせられた格好。テレビ出演での発言を見てもどこかエリート特有の「鼻持ちならない感」が漂っていて、一般庶民にとっては必ずしもイメージが良くないであろう浅野氏である。イメージという点では、石原氏と大差ないような気がする。
 浅野氏は情報公開や福祉の分野では宮城県での実績が高い評価を得ているものの、それが果たして東京で通用するかはまだ、未知数だ。特に障害者福祉の分野においては、悪法として名高い「障害者自立支援法」の基本理念に近い施策を強く推し進めた人であるから、意識は高いものの、理念ありきではなく当事者の側に立った本当の福祉を実現してくれるのか、といったことも全くわからない話なのである。
 ということで、相変わらず投票するのが辛い都知事選には変わりないのだが、結局のところ俺は、どう考えてもあり得ないと思う東京オリンピック招致に反対している浅野氏に「託す」しかないのだろう、と思う。(黒川氏も反対表明してるけど、あの人はちょっと、ね?)
 思えば、郵政選挙でワンフレーズのみで勝利したコイズミ自民への恨みは未だに消えないままなのだが、今回の都知事選でも結局のところ、有権者自らが争点をひとつに絞ったうえで選ぶしかないというのが今の有権者の辛さだと思う。候補者の情報を集めれば集めるほど、救世主のような人などどこにもいない、という結論になってしまうからだ。今回の場合、争点はオリンピックと福祉、それに限るか。
 ちなみに浅野氏の出馬表明はこちら。
 出馬表明にあたって 浅野史郎『夢らいん』
 俺はこれを読む限り「浅野氏に賭ける」のが、やっぱり最良の判断だと思わざるを得ない。(その後、よくよく調べると、浅野氏は東京オリンピックに明確な反対表明をしているわけではないようだ。そうすると浅野氏への投票が「最良の判断」とも言い難くなる。俺は共産党の吉田氏については敢えてここでは触れないつもりだったのだが、ここにきて政党云々は抜きにして吉田氏についても検討していくことが必要と思うようになってきた。本当に悩ましいことだ。:以上3月13日追記:)
 ところで、柳沢厚生大臣の失言問題で世間が騒然とした時、安倍くんをはじめ擁護した側の言葉でちょくちょく耳にしたのは、「人柄」擁護論だ。福井日銀総裁村上ファンドスキャンダルのときもそう。いわく「あの方(柳沢や福井のこと)の素晴らしい人柄を知ってほしい。悪意があってあんなこと(失言)をする(言う)はずはない。」とかいうピントのぼけたフォローである。確かに為政者は「人格者」でなくてはならないはずだ。しかし、為政者に求められる「人格」と単に「人柄がいいこと」は全然違うはずだ。だからいくら人柄が良いと言われても失言や疑惑を恥とも思わずに開き直っている彼らの在り様から、そこに隠された「高貴な人格」を嗅ぎ取ってほしい、と言われたってそれは逆立ちしても無理な話だ。同様に、国会答弁でムキになって逆ギレ答弁を続ける安倍くんについて「優しいから回りに気を遣いすぎる(だから迷走している)」と世耕がいくらフォローしてもやっぱり同じなのだ。そういえば安倍くん、世耕が言ってた「小泉は劇薬、安倍ちゃんは漢方薬(じわじわ効いてくるのね★)」をとうとう自分からキャッチフレーズにしちゃったみたいね・・やれやれ、安倍タンったら、いい人ね。(でもなんだか哀れ〜)。
 おまえは何様なんだ、と言われるだろうけど、言わせて。
 この国の政治家って、レベルが低すぎるよね。。。