続・ユル美ママ、大いに語る

ゲイバー「ペン銀」のママ、ユル美ママは元学生運動の闘士(らしい)。夜更けの憲法論は続く。


俺 「ねえユル美ママ。いくら憲法9条があるからって、もし世界のどこかで有事のときとかは、やっぱり国際貢献するべきじゃないの?」

ユル美 「そうね。そこが問題よね。でもね、今回のイラクへの自衛隊派遣にしても、NPOでもできることをわざわざ自衛隊がやってる、ていう話よ。要は自衛隊よりも、もっと目に見える形で、本当に必要な復興支援をするべきだったはずなのよ。公共事業とか医療支援とかね。ポリシーとやり方さえしっかりすれば、軍隊ではなくても貢献できる道はいろいろあるとは思うわ。そのほうがよっぽど外国からも認めてもらえるでしょうしね。でも、これは理想論ね、やだわ。」

俺 「ママ。ところで安倍さんの言う戦後レジーム脱却とか、自前の憲法を持つこととかって、日本人の誇りとか愛国心とかに関係あるのかしらね?」
ユ 「うーん。アタシはそもそも、日本人の誇りや伝統とか、よくわからないのよね。あんたはわかる?もちろんアタシも日本の自然とか、日本人の何て言うか・・・情緒?とかは確かに好き。でもその大元が何なのかというと、やっぱり人によって感じ方が違うような気がするのよね。そういう、日本の伝統とかいう、もともと曖昧なものを「取り戻そう」とか言われても、ねえ? アタシとしてはね、どちらかというと、もっと普遍的なもの、たとえばお隣さん同士が仲良く暮らしていくための思いやりとかさ、アタシたちみたいなオカマを優しく受け入れてくれる大らかさとかさ、分相応でいいわっていう慎ましさとかさあ、なんていうの?人間として、もっと基本的な部分を大切にしていくことの方が、今の日本人には必要だと思うのよね。そういう世界共通の、人としてフツーのことがさ、今はどんどん出来なくなってるでしょ?日本人としてどーのこーの、という以前にさあ。
それにアメリカ式の愚弄ババア?違ったわ、グローバリズムね、これって百害あって一利なし、と思うのよね。だって、それって他人を蹴落として生き残ってく世界でしょ?この狭苦しい日本でそれをやったらみんな失業するか、いずれ狂っちゃうわよ。安倍さんは成長のためだとか言ってバカ小泉の改革を継承するとか言ってるけど、その一方で国を愛するとか言っているのとは、完全に矛盾しているわよね。グローバル化って、絶対に日本のためにならないもの。ホントはもう、日本は鎖国するしかないのよ。ムリだけどさ。だからね、アタシは今は憲法を変えるよりは、今の平和憲法を尊重して頑張ったほうが、よっぽど国はまとまると思うの。
アタシはね、駄目なものはダメ、っていう勇気が必要だと思うの、日本人には。それを全部曖昧にしてきちゃったから、今みたいにユルユルになっちゃってるのよ。中も外もね。安倍さんは、ダメよ。アメリカも、ダメ。もちろん戦争も、ダメ。
ちなみにあんたとは、キスはダメだけどエッチならいいわ。あら余計なことね。
そうだ、1曲歌う?あんたの好きなセイコ、歌ってよ・・・・」

あ〜眠い。きつくなってきた・・。始発までまだ時間あるしなあ。