トモダチの関係

 元カレと久しぶりに会った。去年の春に別れて以来、1年3ヶ月振り。別れたあとも音信不通にはならなくて、たまに電話で話をしたりしてはいたけれど、二人きりでゆっくり時間を過ごしたのは久しぶり。
 もう恋愛感情はないし、親密すぎる関係から生まれる「辛さ」もわかっているから、昔の関係に戻るのは正直「まっぴら御免」という感じなのだが、久しぶりにふたりで過ごした時間は思いのほか、いい時間だった。
 良いところも悪いところもお互いに知っていて、だから何でもさらけ出せる。むしろ、恋愛感情があった頃のほうが、遠慮していた感じさえする。本当に肩の凝らないラクな関係になれたことに、ふと心の隅で、感謝・・・。
 そのくせ、かつてはもちろんセッ●スもして、普段は誰にも見せない顔や恥ずかしい部分を見せ合ってしまったのに、そんなことはもうお互いおくびにも出さずに、知らん顔を決め込んでいる可笑しさ。
 その辺が何だか不思議なトモダチの関係。他人と、恋人と、トモダチの境界線って一体なんなのだろう?
 人間って、深いな〜、と改めて思った一日。