オトナコドモ

 ちょっとプライベートなことを白状しちゃうんだけど、俺、最近、ゲイ専用の出会い系掲示板を見て、どことなく良さそうな人がいたからメールを出してみたのね。
 “Lonesome”でもちょっぴり“Happy”な独身ゲイとしての生活に満足していることを標榜しつつも(別にそんなに大上段に構えちゃいないけど)、やっぱり「どこかでそれぞれが一生懸命に生きていること」を常に確認し合えるような、唯一無二の、かけがえのない誰かが居て欲しい、夏を前にして何だかそんな気持ちが盛り上がっちゃったのだ。恥ずかしいハナシだけどね・・。
 で、俺はメールを出したとき、なるべく自分の情報を詳しく紹介して、それで相手が気に入ってくれたら会いましょう、というスタンスで書いたのね。向こうは多分、複数の人からメールが来て、その中から選んでいくのだろうし。
 で、相手から何だかイイ感じの返事が来て、近々都合をつけて会いましょう、ということになった。相手は在宅ワーク系で、たまたま俺の職場から近いところに住んでいたので、「軽くお茶か食事でも」という先方の希望もあって、俺は自分の仕事の帰りにお近くでお茶でもしますか?と書いて返信した。
 その後、しばらく先方からの返事が無かったので、「誰か別な人と「成立」しちゃったかな・・・」と思って俺は半ば諦めつつも、多少の期待をもって気長に待っていた。
 そして返事が来たのは1週間後。それを読んでピックリ!
 (要約)「来週の平日の予定なんて読めない。休みの日に会えない人とはムリ。今回、みんな冷やかしのご都合主義の方ばかりで困ってしまう。」(要約終わり) そして、「お返事は結構です。」???これっていわゆる「逆ギレ」でしょう?彼は俺より年上の40代後半の人。実際は丁寧な言葉でのメールだったんだけど、いくら彼が忙しいとは言っても、俺は彼が土日休みだという話は初耳だし、だいいちメール相手全員を「冷やかし」と決め付けてしまうあたりに、その狭量な人間性が垣間見えて、無性に腹が立ったのだ。
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 俺が前の彼氏(年下)と別れたとき「思ったより、コドモだったよね。」と言われて凄くショックだったのね。でもね、いざ振り返れば、今の自分には守るもの・犠牲にするものは何もないし、自分の気持ちに素直に生きていける、という意味では確かに同年代のストレートの男たちから比べれば俺は「コドモ」なのかもしれないな、とそのとき頷いている自分もいたのね。その一方で、じゃあ「オトナ」って何なのだろう?という疑問は解決しなかったのだけど。
 今回の彼とのやり取りで俺、実は凄くがっかりしたのだ。ひとつは、フラれたがっかり。もうひとつは、相手が「思ったより、コドモ」だったことを見せ付けられた、がっかり。あ、ここにもオトナコドモがいた!みたいなね。
 俺が理想とする「オトナ」はつまり、「器量の大きさ」ということなんだろうね。少なくともそれがわかっただけ、良かったのかもね、今回のケイケンで。