今年最後は裕美さん

 今年、間違ってこのブログを訪れてくださる方は確実に増えて、もうすぐヒット数も7万件になります。まあ、3年で7万件ですから、自慢する数字ではないですけれど、40代の孤独なゲイが普段思っていることで「素敵だなあ」「面白いなあ」あるいは「イヤだなあ」なんていうひとり言をこうして書き連ねるだけで、少なくとも3〜4万回は第三者の方が目にしたり、物好きな方は読んでくれたりしたわけですから、それだけでも救われたナ、感謝だナ、と思っています。
 それでは皆様、良いお年を。2008年もよろしくお願いします。
 おっと、これで終わっちゃいけませんね。今回は裕美さんの紙ジャケ・アルバムBOXの話でした。こちらで復刻企画が進んでいますが、なにせ39,800円という高額商品だし、廉価盤の旧譜もすべて発売中だし、おまけに毎年のようにベスト盤が発売されている太田裕美さんのこと、ファンにとってはかなり迷いの生じる企画であります。でもやっぱり、「太田裕美アルバム探訪」なる企画も立ち上げたことのあるこのブログとしては、このアルバムBOX、推さないわけには参りません(笑)!ワタシが裕美さんのアルバムをちゃんと聴いたのは、実を言えば91年以来少しずつ発売された廉価盤シリーズ「CD選書」ででして、ですから裕美さんの素晴らしいアルバム曲のほとんどは未だに90年当時の薄っぺらでスカスカの音でしか聴けません。(あ、これは裕美さんファンの皆様も一緒だわね・・失礼。)一方、『MOMOE PREMIUM』『SEIKO SUITE』なんかはちゃっかり聴いたりしてまして、ソニーのリマスター版の良音の感動体験だけは重ねていますから、今回のBOX企画も、それだけで「買い」だと思ってしまうのです。何よりも素晴らしい「太田裕美オリジナルアルバム群」でありますしね。あとは、発売中止になった聖子のプレミアムボックスという「前科」があるソニー・スタッフのこと、今回の「オーダーメイド・ファクトリー」によるプレオーダー募集というのは苦肉の策とはいえ、何とか発売にまでこぎつけてもらいたいものであります。もちろんhiroc-fontanaも、予約しましたよ。
 ワタシが中学生の頃ミュージックテープで初めて聴いた『海が泣いている』の大人びたポップ感に感動したこと。高校生の頃に貸しレコード屋で借りてその優しい温もりに慰められた『十二月の旅人』。突然のクラシック転向にショックを受けて録音テープを消してしまった『思い出を置く、君を置く』。裕美さんの休養宣言と真冬発売が重なり、寒々しい印象ばかりで当時は好きになれなかったアルバム『君と歩いた青春』。大学生活と聖子ちゃん生活(笑)の煌めきにのめり込んでいた頃、大学生協レコード屋で久しぶりに見た裕美さんの変貌ぶりに驚かされたテクノ作品『TAMATEBAKO』。
 裕美さんのアルバムとのリアル体験はその程度なのだけど、中学生の頃からFMでエアチェックして苦労して集めた編集テープには、アルバムからの名曲たちの数々、例えば「遠い夏休み」や「茶色の鞄」、「青い傘」や「ピッツアハウス22時」や「煉瓦荘」がしっかり入っていたので、アルバム曲のクオリティの高さは知っていた。そのテープを擦り切れるくらい聴いていたから、昔のアルバムはレコードとしては1枚も持っていなかったけれど、CD選書で再発されてから初めて通して聴いたそれらアルバムの数々も何だかみんな懐かしかったし、やっぱり名盤ばかりだった。当時キライだった『思い出を置く、君を置く』や『TAMATEBAKO』さえ、オンリーワンの輝きを放っていることに気付いて、今となっては大好きなアルバムだし。
 裕美さんがデビューしてからの33年間、彼女の音楽はいつもワタシのそばにありました。ワタシの人生の、じつに四分の三です。そして、これからもやっぱり、ワタシは彼女の音楽を携えながら、支えられながら生きていくのだと思っています。2008年、このBOX企画が実現したら、恐らくしばらくまた裕美さんの歌が、ワタシの人生のメインBGMに復活することでしょう。