研修講師よ、違うだろ!なハナシ

 先日、仕事の関係で研修を受けたのだけど、講師の説明にカチンときたところがあった。
 曰く「日本は危機的な財政難で、その中でも社会保障・福祉関連の負担が最も重い。その状況を打開するために大ナタを振るったのが、コイズミ政権である。しかし、コイズミ改革によって社会保障費・福祉予算を毎年、一定比率削減していったにも関わらず、高齢化が進む中、その金額はその後も毎年膨らむばかりである。」と。
 コイズミをヒーロー扱いだ。そりゃそうだろう。そのおかげでコイツ(講師)はこんなセミナー(「福祉施設の経営セミナー」なんて馬鹿げた研修)をカネを取って開催できるわけだからね。
 そして最も俺がカチンときたのは、この発言だ。
 「もう国は、今まで「公共のためのもの」として守ってきた病院や福祉施設の面倒は見ない。民間企業並みに自律し「経営」することを求めているのだ。だから、これから病院関係者も福祉施設の皆さんも、しっかりと利益を上げられるよう、経営の視点を持ってやっていかねばならない厳しい時代なのだ。(ガンバレヨ!←これはサスガに言わなかったが)」
 違うだろ!って。病院は最後まで「公共」であって大切なライフラインなんだってば。福祉施設はハンデのある人が人らしく生活するための頼みの綱なんだってば。そのための大切な予算を削って、まるで病人や高齢者や障害者を悪者のように扱うばかりで、反面、政府の無駄遣いは一向に反省せず、見直す気もないのだから。
 違うだろ!
 「経営」するったって、わずかな年金で生活している人や、健康保険料が払えずに通院をガマンしている人がお得意さまの商売なんて、成功するはずないだろ!与党・政府の無策と無駄遣いのイイワケに「経営」なんか持ち出すな!って。
 それで、イラついて熱くなった俺は講義終了後、思わず講師に詰め寄ってしまったのだ(汗)。あなたのご説明は納得いきません、てさ。コイズミ改革の失敗がいまの困難な状況を生んでるんですよ、って。オバサン丸出し(笑)
 それにしても、先日のエントリーにも書いたように、俺は今の自公政治には憤懣やる方ない、ってところなのだが、この怒りをどこにぶつけていいのか、常に思いあぐねているのだ。ルーティーン仕事もあるから「解散しろ」と国会前に座り込むこともできないし、デモ行進もしたいけど人を集めるのがタイヘンそうな割にその効果は未知数だし、ブログに書いたにしてもストレス発散に過ぎなくて、まるで海に向かって叫ぶようなものだしね。。。。我々日本人は、我慢強いのか大人しいのか、なんだかとても素直に現状を受け入れているようにしか、思えないのね。(もちろん結局は自分もそんな一人なわけで、それがなんだかとても悔しいのだけど。)
 やはり、国民の怒りを代弁すべき、そして権力の不正を徹底的に暴いて追求すべき、マスコミが、この国では哀しいほどにだらしないのだよね、それがひとつ。だって、やっぱり直近の民意に反して政権に居座り続ける自公政権解散総選挙まで持っていけるのは、第四の権力たる、マスコミしかないと思うのだよね・・・。
 それから、身内に甘い、ムラ意識という日本人の哀しい性。個が確立されていない、というか。これがもうひとつの元凶なのだと思う。組織の和を守るということ、ある面では素晴らしいはずのこの国民性が、いざ不正が蔓延り始めると、臭いものにはフタ、あるいは赤信号みんなで渡ればこわくない式の、なあなあ・ズブズブの「それはおかしいゾ」と誰ひとり言えない無法地帯へ突入しちゃうわけよね。国交省防衛省の役人なんかは、その「悪い方」の典型なのだけども、我々一般ピーポーの、今の諦めに似た反応も、どこかイヤな物は見たくない=臭いものにフタ、的な反応のように思えてしまうのよね。(ちなみに俺が今イチバン見たくないのは、イブキブンメー自民カンジチョーの悪役顔だったりする。)
 高村薫さんではないけれど、本当に日本人は劣化していくばかり、なのかもしれないね。