コドモのスケベ心〜マイ・ヰタ・セクスアリス

 個人差はあると思うのだけど、一見純真に見える子供でも、実はそれなりにしっかりとしたスケベ心を持っているものだ、と俺は思うのね。勿論それは俺自身、物心ついた時からエッチだったからだけど(笑)
ただそれははっきりした性欲とは別物で、何だか未知の世界をホンの少しだけ味わうワクワク感に近かったような気もする。でもそのくせ、他人のハダカというものは可能であれば「見たい」と思わされる興味深いモノに違いなかったし、実際にテレビや雑誌で実物のハダカに遭遇すると、子供ながらにドキドキと、そう、確かにコーフンを覚えていたように思うのだ。
現代のように、ネットや雑誌で裸が氾濫する前のハナシだ。さて、今日は思い切ってそんな俺の「ヰタ・セクスアリス」を書いちゃおうと思う。
実は、少年時代、俺がスケベ心をズドーンと打たれた初めての衝撃といえば、「由美かおるさん」なのよね。映画「同棲時代」で披露したオールヌード。スッポンポンの後姿で、こちらを振り返っているやつね。母が読んでいた女性週刊誌のグラビアにそれがドーンと載っていて、たまたま目にしちゃった俺は、ホントにビックリしちゃったのね。由美かおるさんといえば、当時のオトナにとってはグラマーな肢体で勝負する「グラビア・アイドル」的存在だったのかもしれないな〜と、今の俺ならわかるのだけれど、当時子供だった俺には、渦巻き蚊取り線香のCMでもお馴染みの、「歌って踊れて演技も出来るキレイなお姉さん」的イメージしかなかったので、そんなキレイなお姉さんが披露した「お尻丸出しの」大胆オールヌード、ていうのは、まさに非日常、アリエナイ話だったのだ。
 そんな、純真だった俺を目覚めさせた「由美かおる事件」以来、スキあらば母の女性週刊誌を盗み見するようになってしまった俺が、次に見つけたのは、ショーケンこと萩原健一のヌード!そう、おそらくこの辺りから、興味の対象がはっきりと男性に向いてきたみたいなのね(笑)。これがあの伝説のドラマ「傷だらけの天使」の初回だか最終回だかで、ショーケンがドラム缶風呂に入るシーンでのオールヌードの写真(もちろん後姿)だったのね。当時、ショーケンのことはよく知らなかったのだけど(笑)、その若くてカッコイイ身体(特にオシリ)にビビーン、という感じだった。ウチの家族にはそんなカッコイイあんちゃん、いなかったからね。
 そして、ますます色気づいちゃった俺の次のターゲットは、ドラマや映画のラブシーン。いまだに語り草の「ウイークエンダー」の再現ドラマとか「時間ですよ」なんかは、必ずハダカが見られる貴重な番組ではあったけど、いつも家族全員で見ていたから、恥ずかしくて正視できなかった。それが映画の場合、時間帯によってはテレビの前にいるのは自分だけだったりしたので、ちょっとしたチャンスだったのね。そんな中で衝撃だったのは「脱出」というアメリカ映画。たしか観たのは中学に上がったばかりの頃で、何気なく見ていたら、途中でなんと山賊(男)に主人公のひとり(これも男)がレイプされちゃうの!あれは、翌日の教室内でも話題になっていたくらいだから、おそらく俺だけじゃなく、思いがけず映画を見た(見てしまった)多くの子供たちには相当なシゲキだったんじゃないかな?と思う。オトナとして、ゲイとして、いま振り返っても、あの時の衝撃は忘れないものね。
 さて、そんなスケベコドモだった俺には、忘れられない恥ずかしい思い出がある。たしか俺が小学生低学年のころ、大好きだった親戚の叔父さんがウチに泊まりにきて、まだ外が明るい時間に、お風呂に入ったのね。俺はどうしても大好きな叔父さんがお風呂に入っているところを覗いてみたくて、たまらなくなったの。そこで、この辺がコドモの発想なんだけど、屋根の上にボール遊びのボールが乗ってしまったかの設定で、風呂場の外にある塀によじ登って、屋根の上を調べるふりをしながら、お風呂場の中を覗いたのだ!叔父さんはもちろん塀によじ登った俺を見てびっくり。俺も叔父さんと目が合ってしまってちょっとびっくり、みたいな。俺は、屋根の上にボールがあるんだ〜、なんて上を指差しながら大声でイイワケしたのだけれど。でもよくよく考えればタイミングよくボールが屋根に上がったというのも、子供が塀をよじ登って結局はジーっと風呂の中を覗いている、っていうのもどう見ても不自然なわけで、いざそんな行動を取ってしまった自分に、もの凄い後悔の気持ちが湧いてきたのだった。。。幸い、優しい叔父さんはその後も俺を責めたり追及したりせず、アノ出来事はふたりだけの秘密になっている。(忘れてくれていればよいのだけど・・・。)でもきっと、身内のコドモの起こした大胆なスケベ行動に思いがけず遭遇して、戸惑い、俺以上に恥ずかしい思いを抱いていたのは、叔父さんの方だったのかも、なんて今になって思うのだ。
 以上、マイ・ヰタ・セクスアリス