お熱いサマーソング特集

 今年の夏も終盤のラスト・スパートですね。
 「今年の夏もああ 何もしなかったわ」(by 森高千里“Sweet Candy”)とならないように、残り少ない夏をエンジョイしたいものですね。。。なんて言っている俺も、40代の立派な中年オヤジ。これでも一応社会人ですから、実は夏休みなんて数日しかもらえなくて、それもあっという間に終わってしまったいま、今年の夏も何もしないまま終わるのは確実!あとは残暑の厳しさに耐えるばかりの毎日でございます。うんざり。
 さて、今回は前回のエントリーの続編として、そんなウンザリな夏にぴったりの、聴くだけで鬱陶しい残暑気分を味わえるような「お熱いサマー・ソング」を取りあげてみたいと思う。hiroc-fontanaオススメ、日本の夏にぴったりの、暑苦しい歌手たちが歌う、マイナー調のベタベタした夏ウタたちです。さあ、聴いた気分になって、じっとり汗をかいてね!
 まず1曲目は何と言ってもリンダさん。70年代の熱い夏ウタのトップはこの曲だわね「どうにもとまらない(1972年)」。[rakuten:rdownload:11630476:image:small]常磐ハワイアンセンターの火踊りのノリ(笑)。永遠の名曲です。リンダで踊りつかれたあとは打って変わって「夏をあきらめて(1982年)研ナオコです。[rakuten:book:11898461:image:small]桑田K佑作品は「勝手にシンドバッド」や「Bye Bye My Love」など、湘南の湿気を含んだ海風を感じさせる哀愁歌謡の傑作が数多いのだけど、ベタベタ感はナオコが歌ったコレがピカイチ。同類ではみづえさん「そんなヒロシに騙されて」もありますわね。同時期の曲でラッツ&スターの「め組のひと(1983年)[rakuten:disk-otsuka:532872:image:small]これも暑い。この曲はなぜか夏祭りのお神輿のイメージね。「いなせ」だからかな?やたら精力強そうな鈴木さんが歌うから余計にクドイのよね。
 次は、70年代トップアイドルたちの暑苦しいウタ。まずは大御所ヒデキの「炎(1978年)」。[rakuten:joshin-cddvd:10100073:image:small]冠二郎じゃなくってよ、あれも暑苦しいけど(笑)。ア、ア、ハア〜ン!という必殺の叫びがサビに登場する汗臭いウタ。ヒデキの野生的なギャランドゥを想像しながら聴いてね。ヒロミ・ゴーはア・チ・チが記憶に新しいけれど、俺のオススメは「洪水の前(1977年)郷ひろみ / THE GREATEST HITS OF [CD]。このウソっぽいラテン系サウンドが、いかにもステレオタイプな日本の夏イメージなのよね。近年のチューブも完全にその勘違いの方向に進んでいるわよね。夏はラテン、みたいな。浅草サンバ・カーニバルの影響かしらね。そうそう、第三の男、ゴローも忘れてはいけません。「季節風(1977年)」。ゴールデン☆ベストその泣き節がただでさえジトジトしてるのに、マイナーなメロディが真夏特有のサウナのようなムッとした熱風を運んでくるようです。名曲ですけどね。
 百恵さんは「ひと夏の経験」「夏ひらく青春」が夏ウタには違いないのだけど、どこか初々しさがあって、そんなに暑苦しくないのよね。そこで俺は「横須賀ストーリー(1976年)[rakuten:disk-otsuka:529155:image:small]を。これ、夏の発売だけど、厳密には夏ウタとはいえないかもね。でもね、ヨコスカの磯の香りが確かに漂ってくるような気がする歌なのでピックアップ。この曲、ドドドドドド、って迫り来るイントロの緊迫感といい、最後は「波のように抱かれちゃう」激しさといい、とにかく熱いのです。少年少女よ、夏だからってそこまで羽目外さなくっても、みたいな(笑)。 そして岩崎宏美さん。彼女は、声が太いから歌声そのものがとても暑苦しい感じなのよね。夏ウタでは「夏に抱かれて(1979年)[rakuten:s-premium:10145824:image:small]ていうのがあって、これはサンバで宏美さんにしては軽めの曲なんだけど、ずっとメジャー・コードで進んでいるのに歌のラスト「今年の夏は忘れないでしょう」の終音だけなぜかマイナー・コードで終わるという、変わった曲なのよね。そのせいか、宏美さんは懸命に爽やかに歌おうと頑張っているのに、なぜか重い印象で終わっちゃう。宏美さんの面目躍如。
 あと70年代では、オキナワ系・南沙織さんのスピード感溢れるロック歌謡「夏の感情(1974年)」、冬でも体温高そうな榊原郁恵ちゃんの「太陽のバカンス(1981)」、同年の真夏のエッチ娘・石野マコちゃん「思いっきりサンバ」あたりは、前回紹介した麻丘めぐみさん「夏八景」と並ぶ筒美系マイナー夏ウタの名曲として紹介しておきましょう。
 さて続いては80年代アイドル。まずは日本の混雑した海水浴場がとても似合うヒデミちゃん。「バイ・バイ・サマー(1984年)」。バイバッサマッ!みたいな。GOLDEN☆BEST喉に何かつっかえたような何ともスカッとしない歌声が魅力。彼女は「ゆれて湘南」もいいし、「熱風」なんていう、それこそ暑さにウンザリなレパートリーの宝庫です。続いては先日も取り上げた柏原芳恵さん。よしえさん、初期のころの水着がお似合いのボイン系アイドル時代はフツーだったのだけど、実力派歌手として目覚めて以来、何とも暑苦しいものを身に纏ってしまった感じ。そんな彼女の暑苦しい夏歌が「夏模様(1983年)」。ゴールデン☆ベスト でも実はこれはけだる〜い感じがなんとも言えない佳曲です。もうひとり、イヨちゃんもスレンダーなキャラの割に鼻にかかった悪女声が暑苦しいお方。「太陽がいっぱい(1983年)松本伊代BOXは、コパカバーナ♪とこれまた勘違いラテンの熱い1曲。
 最後に、いくつか重量級の熱い夏ウタを。「君たちキウイ・パパイヤ・マンゴーだね。(1984年)中原めいこさん。中原めいこ ニュー・ベストナウこの人のちょっと媚(こび)のある喉声、好みもあるだろうけど、俺は何だかわざとらしい感じが受け付けなかったの、悪いけど。ミエミエラテンの曲調とか、タイトル(「。」がついてるとことか)も含めて全部、日本の夏のマーケットを意識しまくった「売るぞ〜」な感じが何とも鬱陶しい1曲であります。あ、でもね断っておくけど、嫌いじゃないの、この曲(笑)。そして極めつけ、「燃えろいい女(1979年)」ツイスト。[rakuten:disk-otsuka:831273:image:small]この曲、メジャー調のさわやかな曲調なのに、とっても鬱陶しいのね。もえろ〜ナ・ツ・コ〜て、世良さん、なにも怒鳴らなくってもいいじゃん、みたいなね。あ、ラスト2曲は偶然、夏の化粧品CMソングになっちゃいましたね。そういえばナツコは「小野みゆき」さんでしたっけ?なるほど、暑苦しいわ。
 ちょっと長くなってしまったけど、いかがでしたか?結局は月並みなラインナップだったかもしれないけど、俺としては読んだ後に真夏にカレーを食べたあとのような、一瞬の爽やかさを少しでも感じてくだされば嬉しい、かも。