気高い魂に、さようなら

hiroc-fontana2008-10-28

 高橋尚子さん、引退ですね。実は私、大好きだったんですよ、Qちゃん。
 勝っても負けても、微笑みを絶やさずに丁寧にインタビューに答える姿はとても好感が持てましたし、とにかくいつもサバサバとして明るく飾らないそのキャラクターの裏に、何だかとてつもなく強靭で気高い魂が感じられたのですよね、私には。うまく言えませんけど、何か「突き抜けた人」だけが到達する境地、みたいなものです。どんな現実も受け止められる懐(ふところ)の深さ、とも言えるのでしょうか。
 そして何より彼女には常に謙虚さがありました。インタビューを受けていても、その目の前に常に応援してくれるファンや国民の存在を意識してくれていたような気がするのです。
 さて翻って、ニッポンの総理・アソー太郎さんや、オーサカ府知事・橋の下さんなどを見るにつけ、それこそQちゃんの爪の垢でも煎じて飲ませてやりたい衝動に駆られます。自分に向けられた苦言や、目の前の現実に対して、キレるわ、右往左往するわ、何と「懐の浅い」人たちなんでしょう。
 ちょっと前のエントリー「不愉快な政治」にも書きましたが、近ごろ、知事をはじめ首相までもが臆面も無く他者を誹謗中傷する姿ばかり見せつけられることが本当に多くて、私はとても違和感を感じてしまうのです。
 「男は、黙って●●●」なんて言葉がありますが、やっぱり強い男(弱い男も)は無駄口を叩かない・些細な事に一々口出ししない、という「男の美学」に、私は憧れてしまうのですよね。ですから、マスコミのインタビューに過剰反応してキレまくる総理や知事や、ましてや他者を誹謗中傷する総理や知事なんて、何だかオトコ(ゲイですけどね)として情けなくて見ていられないのです。負け犬ほど、キャンキャンうるさい、そんなふうにしか見えないのです。
 ただ、海外に目を転じてみると、金融不安の震源地であるアメリカは現在大統領選の真っ最中で、選挙PRの中心は相手候補を誹謗中傷するネガティブ・キャンペーンなのだそうです。とりあえず自分のことは棚に上げて相手を誹謗中傷して叩きのめす、というのは、いかにも狩猟民族、弱肉強食的やり方だなあ、などと思うのですが、いえいえ昨今の日本の国会中継を見ていると、まさしく与野党間で誹謗中傷合戦が繰り広げられていたりしまして、いつの間にか日本にもそんな文化が取り込まれて、花開いていたのですね。
 誹謗中傷合戦は、もう、うんざりです。
 世界的金融不安の張本人アメリカは、のほほんと大統領選にウツツをぬかしているんですから、日本も早く解散・総選挙をして白黒つけたほうがいいのです。たとえ米国債の大量保有という「時限爆弾」を仕掛けられているとはいえ、この金融不安の中アメリカを支えるために日本の経験と実力だけで何とかしましょう、なんてことは到底無理なハナシなのですから。
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 何だかいつの間にやらハナシはだいぶ飛んでしまいましたね。
 最後に。
 Qちゃん、ありがとう。あなたにはたくさんのパワーをいただきました。たとえ表舞台から去ってしまっても、あなたのようないつも冷静で、強く気高い魂の持ち主こそ、私たち日本人の宝であり、誇りでもあります。あなたのことをこれからも応援していきたいと思います。