運命の転換点

 先週のある日の朝、リビングの時計が止まっているのに気づいた。電池を取り替える時間がないのでそのまま出勤した。
 その日、職場では、パソコンとか電気機器とか、俺のまわりで一日のうちに色んな物が壊れた。一日中ばたばたしてタイヘンな日だった。
 おまけに仕事上のちょっとしたミスで、今まで関係良好だった上司から注意されて少し落ち込んだ。その後しばらく上司との関係がギクシャクした。
 それから数日して、信頼して仕事を任せていた後輩の一人が突然ウツになり仕事に来られなくなった。しばらくは彼が受け持っていた仕事をフォローしていかなくてはいけない・・・。
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 時計が止まったことから始まった様々な変化。少し大袈裟に言えば「運命の転換点」のようなもの。こういうことって、1年に1ぺんくらいは起こるような気がする。その兆しは多くの場合、時計が止まったり、愛用していたカップが割れたりといった、ほんとうに小さなシグナルから始まるものだ。
 そしてその後は、何気なく平和に過ごしていた日常の印象が突然、いっぺんに別なもの変わってしまう。いままで平穏に過ごしてきた日常がいかに幸せで、同時にいかに脆いものであったのかに気づかされる。毎日の繰り返しの中で我々はそれを忘れているのだ。
 さて、この国の首相、タロー氏に目を転じてみましょう。「全世帯に特別給付金を支給します」というあまりにも軽はずみな宣言から始まって、その後は漢字読み間違いや(これは笑えた)、相次ぐ失言(もはや笑い飛ばせない)で、党内での求心力も内閣支持率も日に日に悪化するばかり。彼の周辺ではすべての歯車が狂い始めているようにも見える。
 明らかに運命の転換点を迎えているということを、ひょっとすると今、タロー氏も痛感しているかもしれない。