溶鉱炉の中で断末魔の自民党:ターミネーター

 ターミネーター2 特別編<期間限定スペシャル・プライス版> [DVD]先日、テレビで放映していた「ターミネーター2」を見ていて、液体金属で出来た新型ターミネーター(悪役)が、やっつけてもやっつけても復活してくるのがとても憎らしくて、あれ、これってまるで「自民党」みたいだな、なんて思ったのです。
 悪役ターミネーターは、未来の人類を救う「運命の少年」を抹殺するために未来からやってきて、少年を殺すという使命(プログラム)を果たすこと、それだけを忠実に全うしようとするのです。所詮は殺人マシーンなわけですから、動機が純粋なぶん、逃げても逃げても追いかけてくる、その執拗さがブキミで恐ろしいわけです。翻って、自民党という政党は、戦後の日本の与党としてあまりに長く君臨し、甘い汁を吸いすぎたために、「政権与党でいること」ただそれだけを純粋に求めるあまり、やはり時としてなりふり構わぬ行動に出てくる恐れあり、という点で悪役ターミネーターと共通するものがあるような気がします。
 悪役ターミネーターは液体金属で出来ていますから、カラダを自由に変えられるのです。時には味方になりすまして近づいてきて、ふいを突いてグサッと相手を一突き、とかね。破壊力のある銃で粉々にされても、液体金属ですから、小さな滴(しずく)がいつの間に寄り集まって、元通りの姿に復活できたりするのです。
 自民党もまるっきり同じです。政権与党の座を得るためには、長年対立していた社会党とも連立してしまえるほどの柔軟性を示します。まるで液体金属、というかその節操のなさは単細胞生物のアメーバのようです。はたまた郵政選挙で造反した議員などは、一時は散り散りになりましたけれども、あっという間に元通り、党の中に飲み込んでしまっています。とにかく、憎たらしいほどにしぶといのです。
 ただただ政権与党の座を、譲りたくない。動機が純粋なだけに、彼らはしぶといのです。「ターミネーター」です。
 「ターミネーター2」では、悪役ターミネーターは製鉄所の溶鉱炉で最期を迎えます。高熱で液体化した鉄の煉獄に落ちた悪役ターミネーターは、断末魔の叫びを上げながらもがき苦しみ、やがて鉄の中に溶けて消えていきます。
 自民党はといえば、いままさにクライマックス、そんな状態なのではないでしょうか。火あぶり状態で、溶解寸前・・・。来たる衆院選では、もしかすると大物議員が続々と落選して、ただの人となって消えていくことになるのかもしれません。
 ただちょっとだけ恐いのは、自民党の場合、溶鉱炉の外に飛び散った滴が生き残って、また悪さをし始めたらイヤだなあと・・・。