堕ちた天使

　タイトルはＪ．ガイルス・バンドの８１年のヒット曲から頂きましたが、私が今日書くのはもちろん、あの人、おナワになったアイドル「ノリピー」のことです。
　「悲劇のヒロインによる、失意の失踪劇」から一転、「悪質な犯罪者による、スレスレの逃亡劇」へと瞬時に変貌を遂げたこの事件ですが、私の第一印象としては「騙された！」の一言でした。
　ここ２日、ニュースで流れる「酒井法子容疑者」という言葉自体、当初はとても違和感があったのですが、オドロキの事実が次々と明らかになるにしたがってやっと「酒井法子＝犯罪容疑者」という図式が私の中でも受け入れられるようになってきました。
　でもやっぱり、拭えないのは「騙された！」という感情・・・つまりは「怒り」なのです。
　思えば、モーニング娘の年端もいかないメンバーがタバコをプカプカ吸ったとか、年上の彼氏とシッポリ温泉旅行に行ったとかいうようなゴシップが流れても、「フー、そうなの。」程度に聞き流していたにも関わらず、ノリピーのダンナが覚醒剤所持の現行犯で逮捕されても「ノリピーは悪いダンナに騙されちゃって可愛そう」とか思っていた自分こそが、とってもバランスを欠いていたのだなあ、と思うのです。ゲイノー界、キレイゴトばかりじゃないのだよ、とわかっていながら、ノリピーに関しては単純にシロ、と信じこんでしまっていた・・・つまりこれは、ノリピー本人というより、やっぱりプロダクションを中心としたマスコミのイメージづくりに「まんまと騙された！」という感じが強いのです。
　だから今回の事件、清純派アイドルの逮捕ということで、とても衝撃的でもあるけれど、同時にとっても不愉快だし、悔しい事件であると思うのです。
　家宅捜査が進んで本人の容疑が固まるまで、全く伏せられていたことの数々。。。たとえば、ノリピー本人にまつわるジャンキー疑惑（数々の不審な行動が目撃されていた）報道とか、実はダンナと別居していたこととか、弟が覚醒剤所持で逮捕されていたこととか。。。つまりノリピーが「容疑者」と確定するまでは、彼女に不利になる報道が一切なされなかったのですよね。寸前まで、どの報道でも彼女は「悲劇のヒロイン」でした。そして結局家宅捜索で証拠品が押収されて逃げ覆すことができなくなり、本人が観念して出頭したと思ったら、いつの間にか弁護士が間に入っていました。これも、シロート目に考えておかしいことです。
　つまり、これらの事実から推測するに、プロダクションは以前から彼女の薬物使用疑惑を掴んでいて、今回もあわよくば、ダンナがしょっ引かれただけで彼女に捜査の手は及ばない、とタカをくくっていたのではないか、と思わざるを得ないのです。つまり、捜査状況を踏まえて報道規制が敷かれていた。ここまでのマスコミ報道はすべて、プロダクションの書いたシナリオどおりだった、ということです。商品価値のあるアイドル「ノリピー」こと酒井法子を守れる限りは守ろう、という意図。
　そういえば、森田ケンサク知事が、事務所の先輩として、ノリピーの安否を気遣うような厭らしいパフォーマンスをして見せましたよね。今となれば、あれは一体なんだったの？という感じですが、ケンサク氏にとっては、私と同様に「騙された〜〜！！」と叫べば済むだけの話ですし、少々単純だけど心優しい熱血漢というイメージ作りにも貢献するかもしれないわけですから、まあ結果オーライなのかもしれませんね。でも、私としてはあのパフォーマンスも含めて、何とかこのハナシをもみ消そうとする「政治的圧力」があったのでは？と勘ぐらざるを得ないのです。なんたって、森田ケンサク＝ジミントー、ですものね。
　私個人としてはノリピー、以前から音楽的には全く興味が無くて、今回もスルーしようかな、と思っていたのだけど。実はね、特に最近の彼女、どんどん顔つきがキツクなって、その一方でいつも薄笑いを浮かべてて、hiroc-fontanaとしては「何だかヤナ感じダナ〜」という印象しかなかったのです。そうしたらこんな事件になって、「ああ、やっぱり・・・」という感じが少し、あったのです。
　たとえばキョンキョンはヤンキーだ！とか、アキナは地雷オンナだ！とか、セイコはオトコ好きだ！とか、そんなのは本人がいくらフォローしてもどこか「醸し出すもの」があって、そんなのを承知でファンは支持しているところもあるような気がするのです。でもノリピーの場合（私が興味をもっていなかったせいもあって）、そういうダブルイメージをほとんど得られないままに、私の中では突然に彼女のイメージが「アイドル」から「ジャンキー」に堕ちてしまったわけで、その面でも「まんまと騙された！」感は非常に強いのです。サンミュージックの勝利、だったのかしら。。。
　いろいろ書きましたが、私の言いたいことは、きっこさんが書かれた、これがすべてです。きっこさん、さすがです。→「きっこのブログ」