メモランダム

 八ツ場ダム問題が連日報道されています。ワタシにとって“永遠のヒール”である前原くんですけど、これに関してはさすがに彼を応援せざるを得ません。
 だって、50年近くもゴタゴタして、まだ出来上がっていないなんて、ある意味これが「不要のものである」証明じゃないですか。治水の為とはいいますけれど、50年前に計画されたときと、あちこちにダムが出来上がってしまった現在とでは、当然その重要性も変わってきているはずです。それに、計画が持ち上がって以来の間に、甚大な被害を及ぼす洪水がその下流で起こったという話もない。
 こんな計画を、たとえ7割工事が進んでいるからといって、何が何でも続行すること自体、“一度始めたら誰も止められない”これまでの「霞ヶ関&永田町主導の公共工事」そのものです。おまけにこの「7割進捗」というのは、正確には予算を既に7割使ってしまった、という意味で、実際にダムが完成するまでには今後、追加予算が濫発されて、結局は当初予算(10割)を遥かに超えるのは間違いない、というハナシもあるのです。
 国民が民主党に付託したのは、まさにこうした官僚政治の“悪弊”を一掃してほしい、ということだったのではないかと思うのです。ですから、今回の八ツ場ダム問題を「工事中止」で決着させられるかどうかが、その試金石ですし、ですから前原くんには是非頑張ってもらいたいと思うのです。
 それにしても、鳩山さんも、こんな難しい(でも目立つ)ポストに「暴れん坊」の彼を置くなんて、なかなか巧い人事だと、唸らされます。
 さて、メディア(特にテレビ)は相変わらず「自称」住民たちだけの声をクローズアップして、国に翻弄され続けた悲劇の主人公のように仕立て上げていますけど、その報道姿勢はあまりに情緒に流されすぎていて辟易させられます。最低でも「だから工事中止を撤回せよ」ではなく、「住民への十分な補償をせよ」という方向で報道すべきです。今のテレビメディアは「ダム建設賛成!!!」と叫んでいるようにしか、見えないのです。
※こちら(↓)がとても、参考になりますので、ご興味のあるかたはご一読を。(PDFファイルです。)
 「みんなの八ツ場パーフェクトガイド

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 ところで鳩山首相、温暖化ガス25%削減とか、核のない世界とか、東アジア共同体構想とか、たくさんブチあげてますね。きょうテレビで誰かがコメントしていましたけど、これがほんの1年前のブッシュ時代だったら、心にもない社交辞令としてしか聴こえなかっただろうけれど、今なら本当に少しばかり期待が持てる、という感じ。本当にそんな気がするのです。理想論(夢)には違いなけれど、国のリーダーが自分の言葉で夢を語ることって、とても大切だと私も思います。
サンケイをはじめ、ウヨ系の方々はイチャモンばかりつけていますけど、久しぶりに国際舞台で日本の存在感が示せたのですから、そこは素直に認めるべきかと。