隠れた名盤をどうぞ〜HIS『日本の人』

hiroc-fontana2009-09-26

 H:細野さん。I:忌野さん。S:坂本さん。それがHIS。こちら1991年発売の名盤です。
 実は俺、シングル「夜空の誓い」は好きで当時よく聴いていたりしたのだけど、このアルバム『日本の人』は未聴で、機会があれば・・・なんて思ったまま、早18年。ご存知のとおりキヨシローさんがお亡くなりになって、CDショップの追悼コーナーでたまたま見かけて即、購入!というわけなので、最近やっと耳にしたばかり。あまり偉そうなことはいえません(笑)。
 しかし、これはホントに捨て曲なしの1枚。まさに名盤だったのよね。
 「鬼才」の名がふさわしい男性二人に、サカモトと言っても龍一さんならぬエンカの(当時)若きホープ・坂本「冬美」という、超個性派ユニット。女性アイドル好きの俺としては、中でも冬美さんの独特の「しゃくりあげ」唱法がセイコと共通する部分もあって興味がそそられたのね。その冬美さん、全編通して実にチャーミング、かつ色っぽく歌っていて期待通りだったのだけど、やはりキヨシローさんの書く切ないメロディーと心揺さぶられる詩の魅力が大きくて、つくづく大きな才能を失ったのだな・・・と思わずにおれない。hiroc-fontanaは現役時代のキヨシローさん、ほとんど知らなかったのだけどね(汗)。

日本の人

日本の人

 細野さんはプロデューサー&アレンジャーに徹していてここではあまり前面には出てこないのだけど、シングル「星空の誓い」の転調の繰り返しとか、思わずニンマリしている細野さんが浮かぶようでもあり、なるほどアルバム全体から細野さん独特の「異次元感」が滲み出しているような気がする。
 冬美さんの唸り節がハードロックと融合した「パープルへイズ音頭」(ジミヘン)、キヨシローさんの真骨頂という感じの「500マイル」(PPM)、レノン&マッカートニーが歌謡曲になるオドロキ「アンド・アイ・ラブ・ハー」(キヨシローさんの日本語詞があまりにハマっていて拍手!)といった外国曲のカバーの素晴らしいこと。
 それ以外にも耳に残る美味しいポップス「夜空の誓い」、ナンセンスさがたまらない「渡り鳥」、ちょっと意味深エッチな「スキー・スキー」、文字通りキヨシローさんの優しさに溢れたバラード「セラピー」、ロックビートに乗る坂本さんのコブシが溜まらない「ヤングBee」と、オリジナル曲もキヨシローさんのソングライティングの才能全開と言った感じの名曲揃い。一曲一曲は短いのだけれど、キヨシロー&冬美の変化に富んだボーカルの魅力もあってお腹いっぱい(笑)な気持ちにさせてくれる。
 ところで俺にはホソノさんってどこか「ムッツリスケベ」な印象があるのね。で、ここからは想像なんだけど、坂本冬美さんて、おかめ面だけど何ともいえない古風な艶っぽさがあるよね。あの鼻にかかった声とか歌い方も含めてね。このアルバムでその冬美さんにセーラー服を着せちゃったり、「あなたの板で私の丘をすべってほしいの(「スキー・スキー」)」なんてことを歌わせてみたり、実はホソノさんがイチバン楽しんでいたのじゃないかしら?なんて思っちゃって(笑)。
 さて、なんと動画もありましたのでリンクしときます。このウタもヒネリが効いていてイイのよね。
「恋人はいない」(作詞・作曲:忌野清志郎