誤解を解くことの難しさ〜政治編

 一つ前のエントリーは、私がある女性から受けた誤解と、その顛末について書きました。
 たとえそれが妄想に近いような誤解であっても、人の頭の中で面白おかしく出来上がってしまったストーリーは、一度出来上がってしまうと、それを消し去ることは容易なことではないようです。私はそれを身をもって体験しました。
 実は前回はその体験にからめて“政治とカネ”問題の渦中にあるオザワ氏、そして民主党に対する世間の誤解についても言及するつもりだったのですが、つい自分のことを書くのに熱くなってしまい、それを書くだけで終わってしまいました。
 私がその女性から誤解を受けてしまった最大の要因は、「コミュニケーション不足」だったと思っています。年輩の女性に対して、彼女の想いを汲みつつ、彼女に分かってもらえるような言葉で、私が自分の考えていることを説明しきれなかったこと。そして彼女の方も、私の行動の裏にある動機については一切、理解する努力を放棄したまま、表層的な情報ですべて自己判断してしまったこと。双方が、歩み寄る努力を怠ってしまった結果だと思っています。
 これ、いまの日本における、国民と与党・民主党(オザワ氏)との関係、そのままだと思うのです。
 国民の多くは、マスメディアから垂れ流される情報を鵜呑みにして、確証の無いままに“オザワ=悪”と決め付けてしまっています。また、そんなオザワ氏を辞職に追い込めない民主党もダメだ、となります。その上、このどん底の不況。
 「俺たち、ワタシたちは、安月給で、あるいは仕事さえなくて苦しんでいるのに、汚いカネをもらっている(とテレビで言ってたオザワは早く辞めろ!」ということですね。哀しいかな、野党のジミンも同じようなことを言っていますよね。やれやれ、です。でもこれって、頭の中に出来上がった単なる面白おかしいストーリー、そのものじゃないですか?当の検察が不起訴にしたということは、「何も出なかった」ということなのに、「そんなはずはない」と思いたいだけのハナシじゃないですか。あまりに情緒に流されすぎ。。そして、そう考えている多くの国民は、事実はどうなのか、真実を自分で調べて確かめてみようという考えなど初めから無い!のです。マスメディアの垂れ流す情報がすべて。
 民主党民主党です。党を挙げて、国民にわかり易い言葉で説明することを放棄している。国民とのコミュニケーションをあまりに軽視しすぎています。マスコミの流す無責任情報をそのまま放置していることで、自らを窮地に追い込んでいることに、なぜ気付かないのでしょう。
 一度生まれた誤解は、なかなか解けません。繰り返し繰り返し説明し、かつ分かり易い行動で示していくのが早道です。何につけグズグズしているばかりの民主党は、このままでは本当に国民から愛想を尽かされてしまうと思うのです。
 一方、私たち国民ももう少し冷静になって、情緒に流されることなく、政治を見る必要があります。膨らみ続ける財政赤字の元凶は何か(長年の官僚支配政治で生まれたムダである)、この緊急時に優先すべきは何か(政治とカネのハナシであるはずがない)、今の与党を転覆させて次は誰に政治を任せるのか(また自民党政治に戻したいとでも言うのか)、そういったことをよくよく考えた上で、次の参院選挙に臨むべきだと思うのです。