プレミアム8「SONGSプレミアム」


 3月12日金曜20時よりBSハイビジョンにて放送。
 ひょんなことで目にしたテレビ番組表。え?1時間まるまるセイコ??こりゃ貴重だわということで、ハナ金のお誘いは全部キャンセルして(ウソよ。)、一目散に帰宅。
 番組としては過去(2005年、2008年)に同番組に出演したときの映像を中心に、80年代のNHKレッツゴーヤングの出演映像を挟むような構成ってことは事前情報で掴んでいたのよね。聖子出演回の「SONGS」はリアルタイムで全部見ているし、レッツゴーヤングの出演場面にしても見ようと思えば動画サイトに溢れているしで、特に目新しいものは期待できないことは分かっていたわけなのだけど、この気持ちの高ぶり、ワクワクは久しぶりで、それもこれもここ数年の聖子さんがあまりにメディア露出が少なかったからなのよね、多分。新譜もここ1年以上、出ていないしね。
 そんなわけで、今までになく飢餓感を煽られたタイミングでのこの放送は、とても意表をついた素晴らしいアニバーサリー企画に思えたわけ。そう、この手があったわね、みたいなね。
 演奏曲目は以下の通り。

赤いスイートピー
レッツゴーヤング映像(裸足の季節赤いスイートピーまでの全シングル8曲)
・メドレー(1)
  渚のバルコニー白いパラソル天使のウィンク
・メドレー(2)
  ピンクのモーツァルト小麦色のマーメイド〜チェリーブラッサム
瑠璃色の地球
瞳はダイアモンド
SWEET MEMORIES
唇よ、熱く君を語れ渡辺真知子さんとのデュエット)
・あなたに逢いたくて〜Missing You〜
・しあわせな気持ち
・涙がただこぼれるだけ

 まさに30周年ヒットメドレーというラインナップで、レッツヤン映像とメドレーを除けばほとんどフルコーラス歌唱、という贅沢な内容で、見応え十分。間に聖子さんのインタビューも挟んで、ファンにとっては本当にお腹いっぱいの充実した1時間だった。
 以下、番組を観ての、一ファンの感想。「つぶやき」風に・・・。

  • レッツヤン映像の聖子さん。当時は全然カワイイとは思わなかったのに、30年後の今、当時の映像を見てみると、そのキュートさにびっくり!聖子ちゃんカットも、赤いスイートピーの時のショートも、超カワイイじゃん。これって俺がトシをとったせいなのかしら。それとも、時代が変わっちゃったせい?いま、あんなに輝いているアイドルっていないものね。
  • メドレー(1)は2005年、(2)は2008年の映像。衣装はフリフリな中にシックさもあって、40代の聖子さんでも違和感がない様に良く考えられている。ライブと違って全部、原曲のキイで歌ってる(みたい、たぶん)。「白いパラソル」のサビの高音はさすがにちょっとつらいかな。でも2005年はまだ頑張れたのね。一方2008年の「チェリーブラッサム」はちょっとつら過ぎ。過去映像を見たあとだけに、声の伸びが失われてしまったのが歴然とわかる。全然声が出てないじゃん・・・聖子さんの声のあまりの急激な衰えに、ちょっとショックを受ける。
  • 瑠璃色の地球」(動画)では、美しい地球儀のセットをバックにしっとりと歌う聖子さん。バラードはまだまだいける!でも今回初めてハイビジョンで見た俺には、鮮明な画像の中で浮き彫りにされた、聖子さんの丸出しのおでこや目尻に忍び寄る“年輪”に、これまたショック。聖子の“ルミ子・コヤナギ化”をそこにはっきりと見たのだ(笑)。
  • 4ビートアレンジの「SWEET MEMORIES」はなかなか良かった。83年のリリース当時はイイカゲンだった2コーラス目の英語の発音も、「(I have once) loved you so much」をちゃんと「ラブデュウ ソウマッチ」と歌えていたし、聖子さんのこれまでの海外遍歴(?)がしっかり生かされているのが嬉しかった(笑)。
  • 渡辺マチコさんとのデュエットも、明るくストレートな歌謡ポップスを伸びやかに歌う聖子さんがとても新鮮でグッドな競演でした。でもマチコさんとセイコさんが並ぶと、対比でマチコさんの顔が倍くらいに見えて(涙)ちょっとカワイソウでした・・・。
  • 「涙がただこぼれるだけ」。うん、あらためて聴くとやっぱり近年の中では出色の出来かも。それは認めるわ。インタビューによると、2007年のライブのカーテンコールでこの曲のイントロが流れたとき、観客席のどこからかこの曲を歌う歌声が自然に湧いてきて、いつの間にか大きな合唱になって会場中に広がったらしいのね。その時は感動で動けなくなってしまった、というエピソードを嬉しそうに話す聖子さん。(ああ、そうか、それで自作曲に妙に自信つけちゃったわけね、やれやれ・・・みたいな俺。笑)
  • インタビューではこんなことも言っていた。「デビューから数年間の若い頃は、“歌うこと”は息を吸ったり、食事したりするのと同じように、日常であり自然なことだった。それがいつからか“歌うこと”にはとても慎重に(神経を使うように)なった。」というような内容のハナシ。それはおそらく88年の「Citron」でデビッド・フォスター流レコーディングの洗礼を受けた辺りがその変化の始まりかな、なんて想像するのだけど、今回の番組で最近の彼女の声帯の明らかな変化(衰え)を感じた俺には、それが彼女が歌うことにより慎重になった大きな原因の一つなのかも、と邪推してしまったのね。昔のようなポップスを歌いたくても、もう昔のようには歌えない。だからもしかするとそれが、歌うことへの慎重さと同時に、自分が歌いやすい自作曲にこだわる理由のひとつなのかも?なんてことも思ったのだ。

 さて、耳寄り情報。5月に再び「SONGS」に聖子さん、出演予定!もちろん今度は新収録でしょう。