アマゾンの脅威

 職場の近くに佐○急便の集配ステーションがあって、俺は毎朝その前を通って出勤しているのだ。中を覗くと、おなじみのピチッとしたシマシマのポロシャツを着た筋肉質のお兄さんが大勢動き回っていて、それはそれで目の保養になるのよね(笑)。
 でね、先日ビックリしたことがあるのだ。
 お兄さんの一人が自分の受け持ちの小型トラックにダンボールを積み込んでいたんだけど、その大小あるダンボールにほとんど同じロゴが入っていたのだ。
 荷台の中に積まれていた荷物の七〜八割に印刷されていた同じ文字・・・それは「amazon」。
 ビリビリって破る封がついたダンボール、あれね。封を開けると、ほとんど空っぽな箱の中に、CDや本がラミネートフィルムでビタッと張り付いてるっていう、あれ。
 そんな大小のアマゾン箱が宅配便の荷台のほとんどを占拠しているのを見て、ああこれじゃあ、街の小さな本屋さんや、レコード屋さんは太刀打ちできるはずもないわ、って思ったのね。
 そんな俺も、忙しい時にパソコンをワンクリックするだけで翌日にはもう届いちゃうというアマゾンの便利さに頼ってしまっているのだけど。。。
 でもね、先日こんなことがあったの。以前酔っ払った勢いで注文したDVDが、メールで再度「おすすめ」としてリストに挙がってきたから、俺は「あれ?酔っ払ってたから注文したつもりになっていただけだったのかもな」なんて早合点してしまって、過去の注文履歴もしっかり確認しないまま注文してしまったのだ。そうしたら案の定、これはダブり注文だったのね。それも「発送のご連絡」というメールを見て初めてダブりに気付いたという、大失態・・・。キャンセルも到底間に合わなくて。
 あとは結局、箱の中に二つ並んで届いた新品DVD(同じものふたつ!)を前に、途方に暮れるばかり。
 アマゾンがこれほど浸透してきた理由は、徹底したコンピュータ管理。これね。だからこそ消費者にとって便利だし対応も早いし、おまけにコストカットの恩恵も受けられる。
 でもね、俺はこうも思うのだ。今回もし相手が血の通った人間だったら、ダブって注文したとしても
「お客様、こちらは以前にお一つご注文なさってますが、もう一つお入り用ですか?」
と言ってくれたのだろうにな・・・なんて思えてならないのよね。
 アマゾンの脅威とともに、コンピュータ相手のネット社会、便利さの裏側にある恐しさを知ったような気がしたわ(笑)