メモランダム

  • 震災後3箇月、原発事故に思うあれこれ

 早くもあの大震災から3ヶ月が経ちました。
 被災者の皆様にあらためましてお見舞い申し上げます。
 被災地でいまだ不自由な暮らしをされている皆様のことを思うと、日常に縛られて何もできないままに毎日を見送っているばかりの自分がとても歯がゆく感じられるのですが、日本人として人として、自分の住む土地で自分の役割をきっちりと果たすことも今は大切なんだと自分に言い聞かせたりもしています。
 とかく忘れっぽい私たち。今回の震災で、いわば私たちの身代わりとなって犠牲になられた方々のためにも、大震災で学んだ多くの教訓を“忘れないこと”が、一番の報いになるのかもしれないな、などと思っています。特に、苦しむ人々そっちのけで全くこれまでの教訓が活かされていない「ドタバタ政争劇」を繰り返すばかりの政治家たちを見るに付け、そう思うのです。本当に、不謹慎な奴らです。
 さて、原発事故は一向に収束の気配を見せません。ひとつの困難をクリアすると次の困難が待ち受けるという、まるでパニック映画の世界ですが、こうしている間にも、放射能はまき散らされているのです。はるか離れた静岡のお茶も汚染されている。私たち首都圏の人間も、多かれ少なかれ被爆しているに違いないのです。政府もマスコミも何も言わないけれど。この現実はもう否定しようがないのです。そしてとうとう最前線で勇敢に事故処理に当たっている作業員の皆さんの深刻な健康被害も明るみに出始めています。
 そんな中、イタリア国民は国民投票で「原発NO」の意志表示をしました。その一方で、太平洋戦争で人類初の被爆国となり、そして今回の大震災でまたもや身をもって原子力の危険性を世界に示すことになってしまったこの国、日本では、悲しいことに、一番の当事者であるにもかかわらず、週末ごとにあちこちで沸き起こっている「反原発デモ」さえほとんどニュースにもされず、マスコミはと言えば「この夏、電力供給不足で大変なことが起こるぞ〜」と、まるで原発と電力会社の復興ばかりを願うかのような情報を毎日のようにタレ流しています。そして、羊のように大人しく従順な国民はそれに騙され続けるのです。やはり便利で快適な生活を守るためには、豊富な電力は不可欠であると。それは同時に、過度の競争とストレスに晒された、無味乾燥で憂鬱なこの10年の日本を再現することにほかならないにもかかわらず(といったら言い過ぎでしょうか。。。?)。狭い島国のひとつの県の半分が、一度の原発事故によってもはや住めない状態になりつつあるのです。何かが起こればこれほどに甚大な被害を免れない原発なんて「もうこりごり」。それをはっきりと意志表示しないといけませんね、私たち。それを恐れてか、マスコミも政府もそう言った世論調査をこのところ避け続けているように見えます(苦笑)。
 もはやマスコミ情報は信用おけないのですが、6月14日のNHKクローズアップ現代」は「原発事故と日米同盟」というタイトルで、震災当時の日米のやり取りや駆け引きなどの情報が初めて公開され検証された興味深い内容でした。
 震災直後から、原発処理に専門チームを派遣し、最大限の協力を申し出たアメリカ。一方、信頼のおける情報ソースさえ確保できず、肝心な初動期に重要な意思決定を何ら下せなかった政府・官邸。初期対応を東京電力に頼りすぎた政府の詰めの甘さにも今更ながら呆れさせられる一方で、おそらく数万人の在日米軍兵士を駐在させているアメリカ側にも相当焦りがあったのだろうな、などと思わせられました。浜岡原発の停止は、やはりアメリカから相当な圧力があったのでしょうかね、真相はわかりませんけれども・・・。
 いずれにしても、原発事故は未だ続いている。放射能は目に見えないからこそ、私たちは目をじっと凝らして現実を直視し、決して目を逸らしてはいけないのだと思います。 

  • AKB総選挙が終わって

 話は変わって(笑)。
 AKB48総選挙の騒ぎは、マスコミが騒げば騒ぐほどにどこか鼻白むばかりの私でした。【特典生写真付き】Everyday、カチューシャ(Type-A)(通常盤)数年前の「コーダクミ」現象と同じような匂いを感じました。時代のスターを生むべく、マスコミ総動員で仕掛けるやり方。「今、売れてます!」というポップアップ広告みたいな。
 AKBでやっていることは、ジャニーズのバラ売り戦略、90年代のモー娘。のセンター争奪戦や、80年代のおニャン子の会員番号制度など、その売り方のほとんど全てが過去のアイドルグループの焼き直しなのですね。でもそれが悪い!と言うわけじゃありません。確実に時代に合わせてバージョン・アップしていますし、そもそも各時代に同じようなアイドルグループのニーズはあって当然で、私たち世代がおニャン子やモー娘に夢中になったように、今の若い子たちがAKBに熱狂するのを“バカバカしい”なんて言う資格は私にはありませんもの。
 ただ、最新シングルがミリオンセラーと言ってもそれは総選挙の投票券が封入されていた影響が少なくなくて、一人で数万円分のCDを買った強者もいたと聞き、そんなところにあの「策士家」、秋元某の顔がチラついて、私としてはどうも頂けないのです。
 カネ、カネ、カネ。。。そこでは音楽(文字通り「音を楽しむ」)の要素が余りにも軽視されているような気がして。CDを買っても繰り返し聴かない音楽、ネットでダウンロードしては消してしまう音楽、消費され使い捨てされる音楽。。。それが今の日本の音楽業界の姿ですよね。もし、マスコミがもてはやすようにAKB48が今の日本の音楽業界を代表するような存在であるとするなら、それはこの国の音楽業界の衰退にますます拍車をかける現象にほかならないと、思えてならないのです。まあ、単に私が最近歌番組を見ないから、ミリオンセラーにもなった彼女達の曲を知らないだけで、これは思い過ごしなのかもしれませんが。。。(苦笑)。