「脱原発」でいいんじゃない?

 支離滅裂なのは確かですし、震災後の対応についても評価する点はほとんどない菅さんでしたけれども、「脱原発宣言」だけはよくぞ言ってくれた!と思っています。
 案の定、マスコミ&政財界こぞって大バッシングの嵐ですけど。でもね、たとえ“個人の考え”だとしても、一番影響力のある首相がこれを発言することは、大きな意味があると思います(まあ、鳩山おボッチャンが軽はずみな発言を繰り返してオキナワをはじめ関係者を翻弄した前例はありますけどね・・・苦笑)。
 一度は辞意を示したからには、この発言を是非“はなむけ”にして欲しい。それが菅さんの今後の評価を決めると思います。彼にはその覚悟があると、私は信じたいのです。
 福島の原発がいまどんな状態であるのか、いつの間にかマスコミ報道はほとんどなくなりました。私たちもそれに次第に慣れつつあります。しかし一方で、あの二度の水素爆発でまき散らされた膨大な放射能がその後各地に降り注ぎ、農作物のみでなく牛肉までも汚染している現実が明らかになってきています。いま現在放出されている放射線量はたとえ数値が下がったとしても、土壌に毎日蓄積され、河川から近海に注がれ続ける放射性物質は、作物、家畜、海産物を経由して最後は我々の身体に取り込まれていくのです。
 外部被爆とは比較にならないほど恐ろしいと言われる、内部被爆です。これについては政府は何ら警告を発しませんし、マスコミも沈黙を守っています。
 おそらく数十年後、その恐ろしい影響があちこちに現れて目に見えるようになった頃、「脱原発宣言」がどれほど重要な宣言であったか、正しく評価されるであろうことを私は望みます。
 節電を始めたことによって、その電気料金の安さに驚き、今までなんと無駄に電気を消費してきたのか気づかされた人も多いようです。いざとなれば電力逼迫警報が出るぞ、とかなんとか言って相変わらず東電は我々を脅かしていますが、この猛暑の中でも9割ほどの電力量消費で抑えられているのは、私たち消費者が生活を少しだけ変えることに成功した結果もあるのかもしれませんね。これはもしかしたら、凄いことだと思います。
 夜は夜らしく、うす暗い街並みが当たり前、なんですよね。だから、もう原発は動かさなくてもいい。「脱原発。」でいいんじゃないですか?