「仮面」〜ヘタレキャラにすれば良かった(笑)

アーテック マスク B 45550 もし俺が突然死して、事情を知らない知り合いとかが家の後始末を任されたら、きっとビックリするのじゃないかな、なんて思う。
 フツーの人だったら見たことのないようなDVDとか、ゴッソリ出てきて、「うえ〜、あの人が…。そうだったの?」と。死者の尊厳などそっちのけで、そういえば怪しかったよね、なんてコソコソとウワサ話に花を咲かせるのだろうな…。なんて。
 
・・・何だか、選択を誤ってしまったかな、なんて最近、思っているのだ。
 何の選択誤りかというとそれは、自分の“キャラクターづくり”についてのこと。“自分のキャラクターづくり”なんて表現に違和感を抱く人もいるかも知れないけれど、ゲイである以上、日常生活で周囲に溶け込むためには多くの場面で仮面を付けて「フツーを装う」必要に迫られるわけで、その際に自分をどう演じるか、つまり「どんな仮面をつけるか」の選択が必ず求められるのだ。まあ、人は多かれ少なかれ、スムーズに社会生活を営むためには仮面をつけていかざるを得ないわけだけど、ゲイの場合は普段から人一倍それを意識していなければならないということね。。オペラ座の怪人 25周年記念公演 in ロンドン [DVD]
 俺は、その仮面の選び方をことごとく間違ってきちゃったかな〜?なんて思っているわけ。
ちゃんとしてる人」。
 俺が選んだキャラ(仮面)はこれだ。
 人として、(見かけ上)男として、尊敬とまでいかないまでも、一目置かれるような人間になろう。ゲイであることに引け目を感じた俺は、いつしかそう考えるようになったのね。クソマジメだったのよね。今思えば、これが失敗のもと。どうせ選ぶなら「ヘタレキャラ」にしとくんだった(苦笑)。
 天狗のお面けれども俺が作ったそれは、予想外に完成度の高いキャラに仕上がったらしくて、いま俺は、そのおかげで窮屈でたまらない。そして、とても孤独なのだ。
 いつも何となく、ちゃんとしている常識人。放っておいても一人で解決してしまう、しっかり者。羽目を外すことは滅多にない、堅物。感情を露わにすることがほとんどない、クールな人物。穏やかで、手のかからない人。回りからそんなふうに思われているらしいのね。もちろん、これはあくまでも本当の俺自身の姿ではなくて、仮面の話だから、誤解しないでね(汗)。
 本当はいい加減で甘ったれで怠け者で寂しがりや、おまけにアイドル好きで、とてもエッチなオカマなんですけどっ!
 常識的な堅物キャラ、悪いことに最初それは仮面のつもりだったのが、何時の間にかそれが外せなくなって、歳を重ねるとともに自分の一部になって、やがて同化してしまったのね。狐 お面 コスチューム用小物 22.5cm×15cm
 ここにきて辛いな〜と思うのは、俺がそんなだから、回りもアドバイスしたり手を差しのべる前に、こっちが一人で動いて解決するのをなんとなく、期待しているフシがあること。つまり。。。
放ったらかしにされる。」(苦笑)
 まあね、ずっと、回りにとやかく言われたくないわ!という気持ちでやってきたのは確かだから、自業自得ではあるのだけどね。
 でも、堅物のしっかり者キャラって、ホントに損ばっか。したくもない旗振り役を任されたあげく、わがままな人たちの調整役になって、神経すり減らして。これが生来の性格ならまだしも、仮面だから、とにかく辛くてね。じゃ、いっそ、そんな仮面を外してしまえば?と思われるかもしれないけれど、今の俺がいきなり甘ったれでどエッチな正体を顕したりしたら、それこそ変質者扱いよ、たぶん。少なくとも「(とうとう)心の病に罹った」と思われるのがオチね。だからもう、この堅物キャラに徹するしかないのかな、なんて思ってる。
 そう、そして「孤高の人」になる。それしかないのね、きっと。うん、それはそれでイイかもしれない。孤独を感じながらも一人で何でもやって、クールを装って場を仕切り、誰も手を出さない、地味で損な役回りを演じていくわ!
 
 そして突然死して、皆をビックリさせてあげる。ふふっ。