メモランダム9/18

 尖閣諸島国有化に端を発した反日デモですが、ニュース解説者が語るまでもなく、それはデモの形を借りた若者たちによる単なる憂さ晴らしの破壊行為であり、愛国者を名乗った不満分子の示威行動なのだと思います。
 不幸にも破壊行為の対象になってしまった日系スーパーや現地法人の関係者の皆様にはお見舞いの気持ちをお伝えするほか無いのが口惜しいのですが、日系とは言えそこで働いていたのはほとんどが現地の人なのですから、そこ(同士が働く場所)を同じ現地の人たちがメチャメチャにしたことは、天に唾するようなもので、本当に見当違いの浅はかな行為だったように思います。それが群衆心理というものなのでしょうけれど。
 ただ、それに対する日本国民のあまりの無反応さには、拍子抜けしてしまいました。おそらくこれ以上相手国を刺激しないためなのでしょうが、マスコミ報道が必死に冷静を装って国民感情を沈静化しているようにも見えます。結果、荒くれ者がのさばる相手国に対し、こちらは冷静沈着な大人の対応をしているのだという、妙に国民のプライドをくすぐる構図が出来上がっているような気もします。
 私はと言えば、静かにメイド・イン・チャイナ不買運動!と言いたいところですが、いまやこれだけ強固に経済的な結びつきが出来てしまっている2国ですから、それも難しいところです。ただそれは反面、相手国にも同じことが言えることも間違いなく、その意味であちらにもそれら様々な側面を配慮した「大国」なりの大人の態度を示してもらわないといけませんよね。。。なんて思っています。これがホンネ。
 国有化に際しては、さすがに現政権も何らかの形で相手国に対して事前に根回しをしていたはずで、それが今回のこちら側の「無反応」の理由であると勝手に私は想像しているのですが、ただ、両国ともにこれほど反日デモが激しいものになると予想していなかったのかも知れません。いざこうなれば相手国はおそらくしなやかに、したたかに動くでしょうから、こちらの政府は甚だ心許ないとは言え、現状をしっかり分析して、ベビーな事態も想定した準備を迅速かつ着実に進めておいて欲しい。それを願うばかりです。それが出来ずに指をくわえて相手国の力づくの「実質支配」を許すような事になれば、この国はもう「国」の体をなさない単なる「人の集まり」でしかないものに成り下がる時だと思うのです。
 ところで、時を同じくしてシリアでは激しい反米デモが起こっていて、妙なシンクロニシティを感じずにおれません。
 

 2030年に原発ゼロを目指す。
 なんて、衆院選を睨んでの民主党リップサービスであって、仮に彼らが政権を獲ったとしても、時期が近づけば結局達成できずに、なし崩し的に完遂時期が先送りされる可能性が高いように思います。ましてや大飯原発再稼働を拙速に容認した野田政権が、本気でそれを考えているとはとても思えません。
 一方自民党の総裁候補は、5人全員が原発容認派です。いわゆる現実的路線ですね。しかし彼らの言う「現実」とは、あくまで原発ムラの住人たちの主張に多分に影響されている、「彼らにとっての現実」と見るのが正解だったりします。
 それでも原発ゼロを夢見て進むのか、現実に妥協して限りない先送りを繰り返していくのか、原発に関して言えば、次期衆院選はその二つの選択肢になるようです。
 大震災を経験した我々日本人は、理想論で言えば、いざとなればとても人間には手に負えない代物である原子力などに頼らないですむ社会を目指す必要があること、それを当然のごとく認識しているはずです。しかしこの時期にその方向に急に舵を切るのは逆にリスクが大きいだろうことも頭ではわかっていて、つまり身動きが取れない現実があることを充分認識した上で、それでも真剣に、根気強く皆で考えていかねばならないのだと思います。
 私はと言えば、現状に甘んじることなく、将来的には必ず原発ゼロ、代替自然エネルギーへの移行とそれに伴う産業育成を目指すことこそ、日本が生き残るカギだと、信じています。