ベストテン・クラシックス〜1977年11月

 今年の紅白出場歌手が発表されたけれど、う〜ん。何だか、「薄い」わね。エーケービーも出るしエグザイルも出るし、由紀さんも出るしね、まあ、肝心なところは押さえてはいるのでしょうけど。
 アムロちゃんは?ミスチルは?桑田さんは?キンキは?カツーンは?コブクロは?スーパーフライは?ジュジュは?そしてサチコとケンちゃんは?みたいなね(笑)。それから…あ、そうか。韓流が全滅なんだ、今年は。NHKさん、せめて1組くらいは出してあげれば丸く収まったんじゃないかしら、なんて思うのだけど。。。まあ、ネトウヨの方はカゲキだからね。それを怖がっちゃったのね、きっと。
 出演辞退とか、プロダクションの圧力とか、オトナの事情も色々あるのだろうけど、やっぱり何か圧倒的に「色」が足りない気がする。今年の紅白は特に。
 そんなわけで、以上は前置き。今回から不定期で「ベストテン・クラシックス」という企画をスタートさせようかと思ってます。ベストテン歌手がみんな揃って、紅白に出ていたあの頃(前置きは、そういうつながりなのよね。笑)の、アラフィフのあなたなら、懐かしくてたまらないベストテンを振り返ります。楽しんでね。
 第1回目はhiroc-fontanaがまだ中1でちょうど歌謡曲に目覚めた頃の1977年、今から35年前の11月のチャートから。
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 まずは第10位。先週8位から2ランクダウン。太田裕美さんの「九月の雨」です。最高位は7位ながら、9月の発売以来7位〜10位の間を行ったり来たり3ヶ月にわたってトップテン内に留まるロングヒットでした。松本隆筒美京平コンビによる、ドラマチックな名曲中の名曲。

 
 第9位。先週12位からランクイン、これでデビュー以来3作連続のトップテン入りとなった高田みづえさんの「ビードロ恋細工」。作曲は宇崎竜童さん。彼の持ち味である「演歌ロック」のテイストが、民謡で鍛えたみづえさんの声にジャストフィットして、オンリーワンの世界を作っていました。イントロのギターのチョーキングが印象的な、これぞ隠れた名曲。

 
 続いて第8位。こちらは先週23位からジャンプアップでトップテン初登場、桜田淳子さんの「しあわせ芝居」です。話題の中島みゆきさんとタッグを組んだ意欲作で、淳子さんにとっては起死回生の大ヒット。タンゴのリズムに乗せて、これでもか、と食らいついてくるネチッこさが魅力。

 
 そして本家の中島みゆきさん登場。第7位は「わかれうた」。研ナオコ桜田淳子と、作家としてのヒットを経て、いよいよ自身としては1974年「時代」以来4年ぶりの大ヒット。こののち1位まで掛け昇ることになります。「わかれうた」収録のアルバム『愛していると云ってくれ』も78年のアルバムチャートで1位を獲得。
 
 続いて第6位。先週と変わらず野口五郎「風の駅」。もちろん筒美京平作品で、同時期にヒットしたB・ジョエルの出世作ストレンジャー」のサウンドを大胆に取り入れたアレンジが印象的な作品。この頃のゴローさんの曲はホントに垢抜けていて、“アーバン歌謡曲”という言葉がピッタリでした。もっと再評価されるべきだと思う。
 
 いよいよベスト5に突入。まずは第5位。1977年後半を代表する大ヒットがこの曲「愛のメモリー」。しげる・松崎です。百恵・友和のゴールデンコンビが出演したアーモンドチョコレートのCM曲としてお茶の間に浸透したヒット曲。エンディングで鼻の穴おっぴろげて「ハ〜〜〜〜〜」と歌う姿が目に焼き付いて離れない(笑)。

 
 続く第4位は押しも押されぬ大スターに成長した山口百恵さんの「秋桜(コスモス)」。先週3位よりワンランクダウン。残念ながら1位になれなかったこの曲が、のちにこれほどエバーグリーンな名曲として認識されるとは、誰が想像したでしょうね。前作「イミテイション・ゴールド」はハードなロック路線でしたから、打って変わって静かな曲調のこの曲は当初は地味な滑り出しだったものの、さだまさしさんの研ぎ澄まされたメロディーがじわじわと浸透して、最終的には50万枚近い大ヒットになったのね。

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 さて、ここでベストテン圏外の11位から20位までをざっと紹介しておくわね。
11位「アン・ドゥ・トロワ」キャンディーズ
12位「コスモス街道」狩人
13位「思秋期」岩崎宏美
14位「灯りが欲しい」五木ひろし
15位「愛の終着駅」八代亜紀
16位「暖流」石川さゆり
17位「気絶するほど悩ましい」Char
18位「帰郷/お化けのロック」郷ひろみ樹木希林
19位「酒と泪と男と女河島英五
20位「ワインカラーのときめき」新井満

 なんとも、また聴いてみたい名曲ばかり。それに、今もスターとして活躍している人ばかりというのが、凄いわね。(田中好子さん、河島英五さんのご冥福をお祈りします。)
 
 いよいよトップスリーに突入。第3位は、ジュリーこと沢田研二さん!「憎みきれないろくでなし」。先週4位よりランクアップ。「勝手にしやがれ」での大ヒットの余勢を駆って、よりサウンドをハードに固めたこの曲も連続ヒット。テレビではノースリーブのレザーファッションに身を包んだジュリーの、ちょっぴり薄目の「腋毛」が、妙に淫靡に映っていたわね。

 
 第2位ジョー山中人間の証明です。森村誠一さんの同名小説の映画主題歌で、レコードは大ヒットしたにもかかわらず、全編英語詞の曲ゆえに当時、歌謡曲のベストテン番組でも洋楽ベストテン番組からも、ことごとく無視された可哀想な曲なのよね。時代の狭間で闇に葬られてしまったような隠れた名曲です。

「母さん、僕のあの帽子どうしたでせうね…。ええ、夏、碓氷から霧積へ行くみちで 渓谷へ落としたあの麦わら帽ですよ・・・。」
 
 今週の第1位は・・・!なんと11週連続一位!ピンク・レディー「ウォンテッド」
 「ダンシング・クイーン」が日本でも大ヒットしたアバ風の衣装で、ハードなAメロから途中、コミカルなセリフを挟んで、サビでは見事なハーモニーを披露、テンション高く聴かせどころ満載のこの曲が、思えばピンク・レディーの魅力のエッセンスを凝縮した代表曲だったのかも知れません。今聴くと、まさに天下を取る寸前のピンク・レディーの勢いが溢れている感じ。最終的には120万枚を売り上げました。

 
では、また!