40周年!今年も女王さまに謁見

 さて、今年も幸いにも恒例のイベントに参加することが出来ました。雪深いリゾート地で味わう、濃密で贅沢な、至福のひととき。そう、『松任谷由実 Surf & Snow in Naeba Vol.33』。
 私は2月11日のライブに行ってまいりました。
 ↓恒例、会場入口の大看板。今年はコチラ

 デビュー40周年を迎え、昨年は舞台とかプロコルハルムとの共演とか新しいことにも精力的に取り組んできたユーミン、とするとナエバはどうなるのかしら?と期待していたのだけれど、フタを開ければこちらは長年のファンを迎えてのいつもながらのリラックスしたステージで、その“変わらなさ”が却って素敵でした(笑)。
 今回のステージセットのテーマは「氷の世界」。ユーミン曰く「井上陽水じゃないからね!」(←ベタすぎて思わず苦笑)。氷の洞窟(?)をイメージした一見シンプルなセットが、様々な色のライティングによって多彩な表情を見せる、素晴らしい演出。そして「この氷の世界を、皆さんの熱気で融かして下さい!」と叫ぶユーミン。こちらはいつもながら独りよがりなファンタジーの押しつけで、ちょっとばかりコっ恥ずかしかったけど(笑)。
 セットリストはこちらの専門サイトをご覧いただくとして、今回の選曲は40周年らしく、古くは荒井由実時代の曲から21世紀の曲まで各時代から万遍なくチョイスされていて、非常に多彩だったと言えるわね。『OLIVE』『悲しいほどお天気』『DA DI DA』『天国のドア』『The Dancing Sun』『Wings of Winter ,Shades of Summer』etc.といった数多くのアルバムから、特に後半はアップテンポでノリの良い曲の連続チョイスで、盛り上がりという意味ではここ数年でイチバンだったかも。ワタシ的には懐かしい『OLIVEOLIVEからの「未来は霧の中に」を取り上げてくれたのが嬉しかった。
 でもね、私が参加した日はユーミンの声のコンディションが良くなくて(というか「最悪」に近くて)、それが正直残念でしたわ。とにかく、高音がかすれてほとんど出なかったり、妙に裏返っちゃったりで。昨年来のハードスケジュールに加えて、今回のステージでは声を張る激しい曲が多かったからなのかもしれないけど。
 でもユーミンはそこのところでは気丈に振る舞って、トークはおろか顔にも全く出さなかったのだけれど、全8回公演の7回目でこういう状態になってしまうとなると、赤いチャンチャンコも間近なユーミンの今後、その体力の限界も間近なのかもと不安を覚えたのは私だけではなかったはず。ただ、一方でそんな状態でも決して誰かさんみたいに「口パク」に頼らないユーミンに、ステージに対するこだわりと言うか、徹底したプロ意識を感じたのも確かで。ユーミン、本当に、ご苦労様!
 ご本人は「40周年という節にあたって、今のままで良いのか考えたこともあったけれど、最終的にはそれを“通過点”と捉えてとにかく全力で駆け抜けることにした。」と話していたのだけどね。でもステージングはさておき“ボーカリスト”としてはあまりにお粗末だった今回のパフォーマンスで、ユーミン自身がまた限界のようなものを感じてしまわないかしら・・・と、どうしても疑心暗鬼になってしまうのよね。。。松任谷由実40周年記念ベストアルバム 日本の恋と、ユーミンと。 (初回限定盤)(DVD付)
 今回、リクエストコーナーのトークでは、選ばれて舞台に上がったファンに「セーターのパールがまぶしいですね、いかにも中国産って感じの・・」と毒舌を吐いたり、「もっと色んな人の曲を聴いてくださいよ、私の凄さがわかるから」なんて言い放ったりで笑わせながらも、いざある女性から、いかにもマニアックなリクエスト曲を貰って、「その時の空気の匂いとか色とかをできるだけ曲の中に織り込んでいくように曲作りをしてきた(から、あなたにこの曲の雰囲気が正しく伝わって嬉しい)。」としみじみ語っていたユーミンに、ああ、この人は本物のアーティストなのだな、と改めて感動させられたりもした。
 今回の公演で、アンコール終了後、いつまでも鳴り止まなかった拍手。一緒に行った友達とは「もう声が出ないんだから、そんな酷なことするなよ〜」なんて話していた俺だけど、“たとえ声が出なくても、身体が思うように動かなくなっても、ユーミンが創り出すこの豊かな世界の一番の表現者は、やっぱりユーミン自身をおいてほかにいない。だから私たちはいつまでもユーミンに現役でいてほしい。”と、あの拍手は、昔からのファンたちがそんな思いを彼女に伝えたかったのかも知れないなと、この記事を書いて改めて気付かされた。
 ナエバ、来年も行きたいわ。だからユーミン、ガンバッテね。

 ↑夜に浮かぶ苗プリ。今年は大雪でした。。。