私は独りの達人?そして震災後2年。 

 ご無沙汰しておりました。
 やっとまともな時間に帰って来られました。
 朝6時前に起きて6時50分には家を出て、夜10時半に帰ってくる、みたいな毎日が続いておりました(涙)。もちろん、ずっと仕事していたわけじゃなくて、合間にはチョコチョコと飲み会やら何やらも入れてはおりましたけど(忙しいからこそ「息抜き」が必要なわけですね…汗)、それにしても毎日帰ってから風呂に入って寝るまでの1時間ほど(12時前には寝ないと翌日が辛いので・・・)の間は「やらねばならぬこと」がてんこ盛りで、とてもブログを更新するような余裕はございませんでした。。。
 学生のころ、繁華街の凄く忙しい鰻屋さんで昼間のバイトをしたとき、「料理をお客さんのテーブルまで運んだ帰りに、手ブラはダメ。他のテーブルのお皿を下げるとか、必ず何か一つ仕事をして帰って来なさい。」と女将さんから徹底的に仕込まれたのですけど、今のワタシ、気がつくと家でも必ずそんなふうに行動しているんですね。
 例えば風呂に入るとして、風呂場までの短い動線の中で目についた洗い物はとにかくすべてピックアップして、着ていたものと一緒に脱衣所の洗濯槽に放り込むことに命を賭ける、みたいな感じ。(その歩きながらの目配りは、まるで客室乗務員なみの仕事っぷりです(笑)。)もちろんそのあと、風呂に入るときに洗濯機のスイッチオン、で時間を節約するわけですね。
 それで、何が言いたいのかというと、つまりは独身ゲイのワタクシが、限られた時間でどう無駄なく「やらねばならぬこと」をこなすかという意味で、あの鰻屋の女将さんの教育が非常に役立っているな、と(笑)。つくづく、人生(の出会い)には無駄が無いな、と感じているこのごろです。
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 さて、東日本大震災から早くも2年。いまから4年前、阪神淡路大震災について、こんな記事を書いたことがあったのですが、その2年後にまさか本当にあんな大変なことが起こるとは、あの時は思ってもみませんでした。
 そんな私もさすがに2年前の大震災以降は防災用品などを少しずつ買い揃えたりしています。「独り者がそんなに生き残ることに必死になってどうする?」と自問自答しながらも(苦笑)、震災で犠牲になられた方が残してくださった教訓を生かすことこそが、残された我々の義務ではないかと、そんなことも考えているのです。
 そんななか、先日、ふとしたことである団体の方から「災害疑似体験をして、そのレポートをしてほしい」という依頼を受けまして、私、挑戦しました。
 テーマは「ライフラインが寸断、避難所に入れない中でのサバイバル体験」というもの。独身の私がやらなければだれがやる?という妙な義務感と、山登りでそれに近い体験はしているし、まあ大丈夫かしらね、みたいな軽い気持ちでチャレンジ。
 朝起きて、もちろん暖房もテレビも点けず、水は2ℓのペットボトル1本。トイレはもちろん流さず。食事はレトルトお粥にアルファ米で過ごす。
 今回はその体験レポートの一部を少しだけ紹介しますね。
 最初は軽くこなせると思っていたのが、実際に体験してみて意外に厳しいなと思ったのは、まず食事でした。アルファ米は、美味しいと評判の尾西食品「わかめご飯」尾西食品 アルファ米 わかめごはん 100gを食べて、これが確かに美味しかったのですけど、食べているうちに段々と塩辛く感じてきて、とにかく喉が乾くのですね。つまり、喉が乾く→水を飲む→トイレに行く、ということになって、水が流せないトイレに行くのは抵抗がありますから、これは落とし穴でした。その点レトルトのお粥は、適度の塩気と水分で、冷たくても食べ易くて、こっちの方が正解でした。でも、すぐお腹が空いてしまうのが玉にキズですけど(笑)。とにかく、非常食は買っておくばかりでなく「必ず試食して自分に合うものを選んでおくこと」が大切かと。
 それから、一日中テレビもネットも御法度の生活では、本当に時間の過ぎるのが遅いこと遅いこと。まあ、実際の災害時に生き残ったらそれどころでは無いと思うのですが、逆に平時に「暇な時間」を貰ったおかげで、私は自分の防災グッズの点検にその時間を存分に使えたのがラッキーでした。一応私も、銀色の「非常持出し袋」なるものを用意していたのですけど、いざ中身を点検してみたら、電池が液漏れして使えなくなったラジオとか、使用期限のとっくに切れた薬とか、溶けて固まった飴だとかがゴッソリ出てきて、「あらら。。。」というカンジでした。普段の忙しい毎日では、防災にまで中々意識が向きませんからね。その意味ではとても貴重な時間を貰ったような気がしました。
 それと、飲み水以外に、お風呂の残り湯はできるだけ溜めておくようにすると、洗い物とか身体を拭いたりとか、イザというときの色々な場面で安心なので、“こんなこと” もありますけれど(笑)、これはできるだけ普段から意識しておいた方が良い気がします。
 私のように半ば無理矢理でないと、たとえ擬似でも中々自分からは被災体験などはしたくないものですけど、いざ体験すると、やはり普段の生活では見えないものが見えるように思います。機会がありましたら、体験してみることをオススメします。
 
 最後になりますが、震災で亡くなられたみなさまのご冥福をお祈り申し上げます。