メモランダム8/12

 暑さボケで二週間、ほったらかし(笑)にしてしまいました。その間もなぜかアクセスは安定していたりしまして、皆さん、お寄りいただき有難うございました&長いこと留守にしていてすみませんm(_ _)m。
 今回はメモランダム8月号として、徒然なるままに色々なテーマで筆を進めます。
 

 ワタシの住む東京でもとうとう37度!という“体温以上の気温”を記録してしまいました(おまけに30度を下回らない“超熱帯夜”までも経験・・・)。40度超えという信じられない高温に見舞われた土地もあって、着実に日本は亜熱帯化の道を進んでいるようです。
 東南アジアを旅行すると、冷房の設定温度が“凶悪なほど”低くて電車やお店の中がキンキンに冷えているのにビックリするのですが、今年の夏は日本の電車やコンビニの冷房もいつの間に東南アジア状態になっていてぶったまげです。メガネ中年男子(笑)であるhiroc-fontana、コンビニから外に出たらメガネが曇っちゃって困った!みたいな経験も、既に一度や二度ならずです。
 それにしてもほんの2年前、震災後の「節電の夏」として、生ぬる〜くて薄暗い夏を懸命に過ごした私たちは何処へ行ってしまったのでしょう。「喉元過ぎれば熱さ(暑さ)忘る」。そんな感じですかね。。熱中症対策の重要性は知りつつも、今だ福島原発の汚染水流出問題などがニュースになるたび、複雑な思いにかられるのです。
 

 私の知り合いのゲイの方が鬱になりました。もうすぐ還暦に手が届く方ですから年齢的な理由もあるのでしょうけど、これまでずっと強気に生きてこられた方だったので本当にビックリしました。
 「何も食べ物が喉を通らない」「これから先、自分がどうなるかわからない」「とにかく話を聞いて欲しい」とたて続けにメールが来て、急いでお宅にお邪魔したのですけど、普段はオシャレでスキのない紳士であるその人が、もうヨレヨレの状態でほとんど老人のようになっていたのにまたビックリ。
 私は強気とは程遠い人間なのでわからないのですが、普段強気な人ほどもしかするとひょんなきっかけで折れやすいのかも知れません。その人が弱音を吐くことなど聞いたことがなかったのですが、日がな弱音とマイナスな言葉を吐き続ける彼に付き合い、一緒に何とか晩ご飯を胃袋に押し込んで、少し気持ちが上向きになった様子が見えたところで帰って来ました。ふう、しんどかった。
 クソ、俺はぜったい頑張らないゾ!!そんな思いを強くしてます、今。
 彼が自分にとっての反面教師なんです。(その彼、たった一週間後にはすっかり元通りになって、相変わらず強気に、誰彼構わずトゲのある言葉を吐きまくってます。スゴイです。苦笑)
 

 今年もひとり旅、してきました。いざ出雲の国へ。
 出雲大社と言えば、今年は「平成の大遷宮」の記念の年。どこもかしこも善男善女で賑わってました。ひとり者としては“縁むすび”だけが目的のように思われそうでちょっと腰が引けたのですけど(苦笑)、ちなみに本来は祀られる大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)が国作りの神様であって、この世のものすべての縁を司っていらっしゃる神様なのだそう。それがいつの間に男女の縁に拡大(縮小?)解釈されてしまったようです。(以上、豆知識でした。笑)
 とにかく私、少なくとも1年に一回は、知っている誰とも交わらないひとり旅がしたくてたまらなくなるのです。実は最近、その我慢の限界に来ていたので、本当に行って良かったと思えた今回の旅です。
 出雲大社の清浄な気を頂いたあとは美味しい出雲そばや境港直送の新鮮な海産物に舌鼓を打ち、松江の美しく風情のある街並みを眼で堪能しながら、日頃の煩わしい雑事などすっかり忘れて、本当に生き返った気がしました。
 そして、普段の自分がどれほど時間に追われ、やるべき事(本当はしたくもないのに・・・)に追われ、まわりの人に無意味な気廻しをしたりイライラしたりして日々を無為に過ごしているのかを思い知らされました。最後に気づいたのが、「そうだ俺、もう厄介な「縁」は要らない!」ということ(笑)。
 それもこれも、出雲の神様のお陰です、きっと。感謝。
 
 ↑奥に見えるお屋根が本殿です。
 
 お堀が廻る松江は「水の都」。夕暮れどきの宍道湖はロマンチックこの上ない。  
 
 出雲そばの名店「神代そば」。そして居酒屋での晩餐メニュー。これ、ひとりで食べちゃった(笑) 
 

 話題の映画「風立ちぬ」、観てきました。
 ホント、絵がすっごく、キレイ。それに「千と千尋〜」の時も思ったのですけど、絵の中に“否応なくイマジネーションを掻き立てられる”確かな世界観があって、ちょうど現実と夢の中間のような、リアルなのだけど決して現実には存在しない「映画の中だけの世界」がしっかりと出来上がっている、そこがスゴイと思えたのです。
 そしてアニメならではの、現実と空想世界の見事な場面転換。融合。本人の白昼夢の空想の中でそよいだ風が、現実に戻った本人の髪をフワッとなびかせたりする。そこが私にはとても心地よく思えました。いくらCGが進歩しているにしても、やはりそういった場面ではアニメに軍配が上がるような気がします。
 肝心なストーリーの方は、堀辰雄の「風立ちぬ」がモチーフになっているので一応は(悲)恋モノではあるのですけど、主人公が学者肌の性格であることもあって、ジブリ作品にしてはかなり淡々とした印象。これがヤフーのレビューでは攻撃対象のひとつになっているようで(苦笑)、確かにストーリーを追っているだけでは「感動」までは行き着かないかもしれませんね。
 ただ私にとっては、この映画を終始美しく彩る「絵」、それだけで充分感動的な作品でした。もはや失われてしまった日本の(あくまでも宮崎監督の「心の中」の)美しい風景・情景。映画という限られた時間の中でそれにどっぷりと浸かる体験は、どこか夏の夜を彩る“花火”を見たときの感動、つまりある種の「儚さ(はかなさ)」を帯びた感動体験に近いように感じられたのです。
 この作品を観たことは、この夏の儚い思い出のひとつ。ですからきっとDVDが出ても、私は買って観ることはしないと思います。