メモランダム2/21〜ヒロイン

 今日の話題はやっぱり、浅田真央ちゃんです。 20日の早朝、まずは「さて真央ちゃんのショート・プログラムの結果はどうだったのかしら。」とスマホでニュースを見てみたら、「キムヨナがSP1位」とあるだけで、真央ちゃんの名前はなし。「さては・・・やっちゃったのね、真央ちゃん!」と思ってテレビをつけたら案の定・・・。
 というか。。え???「16位」って・・・いったいどういうこと?みたいな。ショックで、そのあと出勤することさえ気が重くなって・・・。多くの日本人が、おそらくあの日、そんな感じで朝を迎えたのでしょうね。きっと。
 でもね、フリーの演技を控えたその日の晩は「あとはどれだけ挽回するのかしら、楽しみ♡」という感じで、どこか安心して床に就いた私。そして21日早朝、彼女のフリーでの素晴らしい演技をVTRで見て、あまりの感動に朝っぱらから涙ボロボロ。昨日とは一転、足取り軽く仕事へ出発(笑)。
 考えてみれば世界選手権やグランプリファイナルで優勝経験ある(金メダル候補の)トップアスリートが、世界が注目するオリンピックという決戦の舞台で、故障でもないのにあれほどまでにボロボロになるというのがまず、前代未聞のこと。なんたって、トップテンからもほど遠い、16位ですものね。
 そして一方、勝負の後半(フリー・プログラム)では大挽回、最高の演技で自己最高得点をたたき出した、というのもこれまたスゴイことで。イマドキの言葉で言えば真央ちゃん「持ってる人」なのだな、と思わずにいられない。
 今回、ショート・プログラム16位という順位だったからこそ、すべてを賭けたフリーであの素晴らしい演技が出来たのかもしれず、「もしもう少しでもSPの点数が良ければメダルが・・・」などと“IF論”を展開しても仕方がないな、と思わされてしまう。「筋書きのないドラマ」などという使い古された慣用句にさえ、強烈な説得力を与えてしまうような、インパクトを彼女は私達日本人に与えてくれたように思う。
 マスコミを中心に我々日本人が(もちろん真央ちゃん自身も含めて)、とにかく金メダルを獲ることばかりに固執して大騒ぎして、それがお互いにとって過大かつ不要なプレッシャーになっていたこと。そして、我々が本当に見たかったものは、成績や順位という結果ではなく、人間の持つ「可能性の素晴らしさ」を表現する姿だったのだということを、浅田真央という稀代のヒロインが、今回のエピソードを通じて私達に教えてくれたような気がする。
 「持ってる」浅田真央ちゃんが、最後はすべて「持って行った」感のある今回の冬季オリンピック。良いものを見させていただきました。