今年もお健やか、女王さまに謁見ふたたび。

 俺にとってはこの季節の風物詩、ユーミン苗場にラッキーにも今年もまた行くことが出来ました。hiroc-fontana、今年で4回目。『松任谷由実 SURF & SNOW in Naeba Vol.34』2月11日・火曜日の回。
 奇しくも前週末は東京でも記録的大雪。不謹慎にも“こりゃ、苗場の予行演習だわ。”なんて感じで、通め先に必死な形相で向かう人々を横目に、銀白色に染まった東京を人知れず楽しんでいた俺。
 でも当日いざ苗場に到着してみれば、ここ数年の豪雪はどこに?という感じで、あまりの雪の少なさにびっくり。雪は積もっているけれど歩道は地面が露出していて、スノーシューズも要らないくらい。宿の女将さんの話では、ここ数年どんどん雪が少なくなって、今年は特に少ないとのこと。(これから、どうなってしまうのでしょうねぇ。と、閑散とした宿の食堂で遠い目。。。)そのせいか、祝日だというのに苗場のスキー場もどこか、活気のないような印象があって。。。
 それでも夜8時、少し早目に苗場プリンスホテルに入ると、今年も熟年男女を中心にどこかスノッブな印象のファンたち(はい、俺もそうです)の熱気でムンムン。会場のブリザーディウム前はいつもの華やかな雰囲気に包まれていて、何だかホッとする。まあ、悪く言えば人も場所も“旧き良き時代の遺産”ぽいのは確かだけれども(苦笑)、これこそが、苗場なのよね。。。
 今年は2年ぶりのセンターステージで、ステージを客席が囲む形。バンドはその周りに客席の方を向いて配置されている。テーマは「宇宙」。ステージの天井には小宇宙をかたどった照明に、壁際には惑星バルーンが浮いている。会場全体がステージの一部という感じで、いつもながらそこに一歩足を踏み入れるだけでワクワクさせられる。嬉しいわ。そして21時半過ぎにユーミンと、お馴染みのバンド・メンバーが花道から登場。客席はのっけからスタンディング!最新作『POP CLASSICO』のイメージを踏襲したとんがりヘアの奇抜なスタイルで、オープニングはなんと荒井由実時代の「COBALT HOUR」!COBALT HOUR
 今回もデビュー40周年の流れで、荒井時代の古い曲から最新アルバムまで万遍なくバラエティに富んだ曲の数々を披露してくれたユーミン。個人的には今年の選曲、シブイ曲がかなり入っていてとても楽しめましたわ(ネタバレ、ごめんなさい。口紅の曲とか彗星の曲とか満月の曲とか、何よりアンコール・手紙の曲、とかね (笑))。曲目など詳細は毎年お世話になっているこちらのサイトをご覧いただくとして、オープニングから6曲をノンストップで歌うユーミンのパワーに圧倒された俺。え?ユーミン、もう大台を迎えてるはずじゃ?みたいなね。(ご本人は「先日、30歳の誕生日を迎えました」なんておっしゃってましたけどね。苦笑)
 ところで最新アルバムPOP CLASSICO(初回生産限定盤)(DVD付)(特典なし)にしても、昨年のパフォーマンスにしても、その“声の衰え”があまりに顕著で心配していたのだけど、今年に関しては何とか崖っぷちでキープしていた感じ。アップテンポの曲ではユーミンの声がバンド演奏に完全に埋もれちゃったり、ファルセットに移るときに声がひっくり返っちゃったり、相変わらずではあったけど(笑)、口パクなど私は絶対に許さないわ、とばかりに声を振り絞って歌い続けるユーミン様に心の中で拍手を贈らずにいられなかった(って、どこか歪んでるかしら?)。
 また今年はリクエストコーナーが面白くて、あらかじめ決まったテーマについて観客はエピソードを語り、それが面白ければリクエスト採用、という流れだったのね。11日のテーマは「大切な人へ伝えたいこと」。ステージに招かれたファン3人が揃いもそろって「仕込み?」と思えるくらいハマる受け答えをして楽しませてくれたのだけど、今回「Midnight Scarecrow」(『Kathmandu』収録、オウム事件にインスパイアされた曲)KATHMANDUのリクエストに応えながら、ユーミンが「15年前くらいの曲なので、公衆電話が出てきたりして、時代の移ろいを感じるけれど、いまの時代にこの曲が、辛くて引きこもっているような人達の救いになるのではないか、なんて思っています。」というようなことを語ってくれて、そのあとピアノ一本で歌うユーミンが曲に込めた深い思いがすごく伝わってきて、今回のセットリストの曲以上に印象に残ったのよね。。。これも、苗場ならではの楽しみ方なのかも(笑)。
 なぜ、ユーミンは歌うのか?(歌唱力は・・・なのに。。。)
 なぜ、ユーミンはハデな格好をしてダンスするのか?(ルックスも・・・なのに。。。)
 ステージを観ながら心のどこかでそんな疑問を抱えながらも、「いやいやユーミンの曲のイチバンの表現者ユーミン自身を置いてほかにいないのだ、だからこそ、ファンは自身の耳と目で修正かけながら(笑)、彼女のパフォーマンスを心から楽しめるのだ!」なんてことを考えていたのだが。。。最後にユーミンから出た言葉、
「私はどうしてもこの苗場(のステージ)の終りが想像できないんです。来年もまたお会いしましょう!」
というのを聞いて、ああ、ユーミンさん本人が一番、このステージを楽しんでいるのだな、と納得したのだ。
 はい、来年もきっと会いにいきます!女王さま。
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