夏の終りのtutumikko〜太田裕美コンサート2014

 2014年9月12日(金)のMt.RAINIER HALL(渋谷プレジャー・プレジャー)に行ってまいりました。太田裕美さん、デビュー40周年の締めくくりライブ。

 まずはセットリスト。これが凄かったの。

※今回も記憶頼りなので曲順違い、抜けなどあるかも。あしからず。
ハンドマイクで
1.夏の扉(1974年 アルバム『まごころ』)
2.遠い夏休み(1976年 アルバム『手作りの画集』)
3.九月の雨(1977年 9thシングル&アルバム『こけてぃっしゅ』)
ピアノ弾き語り
4.スワン(1978年 アルバム『ELEGANCE』)
5.都忘れ(1976年 アルバム『手作りの画集』)
6.夏のクラクション(原曲・稲垣潤一 2014年 アルバム『tutumikko』)
7.夏風通信(1977年 アルバム『こけてぃっしゅ』)
8.恋愛遊戯(1977年 8thシングル)
ハンド&スタンドマイク〜『tutumikko』コーナー
9.さらば恋人(原曲・堺正章
10.ROMANTICが止まらない(原曲・C-C-B
11.真夏の出来事(原曲・平山三紀)
12.ガールフレンド(原曲・オックス)
続いて太田さんMC人形つながりで・・・」)
13.ドール(1978年 12thシングル)
ギター弾き語り
14.Summer End Samba(1978年 アルバム『ELEGANCE』)
15.エアポート'78(1978年 アルバム『ELEGANCE』)
ピアノ弾き語り
16.私は忘れない(原曲・岡崎友紀 2014年 アルバム『tutumikko』)
〜アンコール〜 客席はスタンディング。
17.強い気持ち・強い愛(原曲・小沢健二 2014年 アルバム『tutumikko』)
<E.G&Per:岩井眞一、A.G:西海孝>

 ライブのタイトル通りすべて筒美京平作品で、なんとシングル曲の披露は3曲のみ。それも夏〜秋周辺リリース曲限定、という徹底ぶりで、「木綿」も「雨だれ」も、季節柄セトリに乗ってもよかった「最後の一葉」もなし。でもその分、太田さん曰く"ウン十年ぶりに歌った"という「スワン」や、hiroc-fontanaもまさかライブで聴けるとは思わなかった「エアポート'78」など、おそらく近年のライブでは全く演奏されることのなかったレア曲が少なくなくて、コアなファンとしては本当に楽しめました。
 デビュー40周年ということで昨年来、嬉しいことに渋谷でのライブが連続している太田さん。"まごころ39"の3公演(「フォークな夜」「ロックな夜」「秋冬編」)に「雨女の恩返し」を加えて、その選曲がほとんど重なっていない、というのが本当にスゴイことで、それは繰り返しライブに訪れるコアなファン層(俺みたいに)への嬉しい配慮だと思うし、少なくとも"tutumikko"関連のライブでは、筒美京平という天才作曲家から太田さんの為に提供された素晴らしい曲の数々を埋もれさせたくない(少しでも多く歌っておきたい)という、太田さんの心意気のようなものも感じたのよね。
 実際、「スワン」のMCでは、「こんな可愛い曲、もう歌えないかもしれないので、歌えるうちに・・」なんてことも言って笑わせていた太田さん。いえいえ、導入部の超高音ファルセットも驚くほどキレイに決まって、還暦目前にしてますますボーカルは絶好調でしたわ。できる限り長く歌い続けて欲しい!素晴らしい歌声に酔いしれながらそう願うばかりのhiroc-fontanaでした。。
 今回の太田さんの出で立ちは、紺のTシャツに同色のフレアスカート。秋らしくセミロングに伸ばしたヘアースタイルが懐かしく、アイドル時代に戻ったような印象で、最初に太田さんがステージに出てきたとき、ドキッとしたのだ。(→画像 こんな感じ。)太田裕美 ベスト DQCL-2121「スワン」はもちろん「夏の扉」や「夏風通信」「Summer End Samba」など、ファルセット多用の難曲も声の衰えを感じさせず、本当に「あの頃の裕美さん」が目の前にいるような気がした。思わず涙ウルウル。
 MCは今回も絶好調で、先にこちらでも記事にした「レコード・コレクターズ9月号」で「木綿のハンカチーフ」が70年代アイドルソングのNo1になったことにも触れて、「アイドルと言われるのには抵抗あるけれど」「1位に選ばれたのは純粋に嬉しい」「「木綿」は"およげ!たいやきくん"のお蔭でずっと2位だったから」「一般人の投票だったら南沙織ちゃんや「UFO」とかが1位になるでしょうに、音楽ライターさんたちが選んでくれたから私が1位だったのかも(←ちょっと太田さん、上から目線ですよ!)」なんて発言も飛び出して盛り上がったのに、結局は「木綿」は歌わず。。hiroc-fontanaとしては、今回アンコール1曲であっさり終わってしまったから、もしかするとダブル・アンコールに「木綿」が用意されていたのでは?なんて思ったのだけど、まあ、アンコールの「強い気持ち〜」では太田さんのコンサートでは珍しく(?)ファン自ら総立ちで盛り上がったし(冒頭の歌詞「Stand up!」につられて思わず立ち上がった・・という説も(苦笑))、これはこれで良かったのかもな、と自分を納得させていたりする(笑)。
 この11月にはまた新しいディケイドに踏み出す太田さん。音楽とファンへのたっぷりの愛情を感じさせてくれたこのコンサート、エンディングでは震災の被災者への思いを語り「私は忘れない」を歌ってくれたその人柄に改めて「この人のファンで良かった」と思わされたりもした。これからも歌い続けて、ずっと「まごころ」、届けてほしいな。
 
 聴き続けるほどに味が出てくる『tutumikko』↓。40周年記念盤。やっぱりオススメ。

tutumikko

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 40周年ライブの映像版。「ライブは流れていくその一瞬の空気感を大切にしたい。だからあまり録画や映像には残したくない」という太田さん。「観なくてもいいけど、買ってね」には会場が笑いの渦。↓
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