流行歌終焉後〜ワタシの紅白歌合戦鑑賞記

 あけましておめでとうございます。2015年を迎えました。
 今年もよろしくお願い致します。
 年末年始のアクセスがかなり多くてビックリ(明菜効果?)。とは言ってももともとルーズな性格の私、頑張って書かなければ!という気負いは皆無で(苦笑)、相変わらず今年もマイペースでの更新となりそうですが、よろしくお付き合いくださいませ。
 

 さて、年末の紅白歌合戦、久しぶりに家でゆっくり鑑賞しました。こんなの、何年ぶりかしらね。。ゆずが出ない、コブクロが出ない、ドリカムも出ない、ましてや安室ちゃんやミスチルは最初からカヤの外、そして何故アッコが?ミワさんが?というような(苦笑)出演者への不満は毎年の恒例行事のようなものでスルーするとして、今回の紅白出演メンツたちのパフォーマンスを見ながら、「ああ、紅白ってこれで良いのかも。」と、妙に納得している自分がいたのよね。
 年末最後の記事で、昨今「ヒット曲」というものの意味が変わっていているのでは?というようなことを書いたのだけれども、90年代くらいまでの紅白はまさに"ヒット歌手たちの共演の場"のような存在だったように思うのだけど(自らのポリシーで出演拒否するアーティストも少なくなかったけどね)、新世紀に突入後、ヒットが測れない時代になってからの紅白は、長いこと試行錯誤を続けているような気がするのね。若者に人気のアーティストたちの共演を見たいなら「FNS歌謡祭」がメンツ的に充実しているし、懐メロ歌手を見たいなら「年忘れにっぽんの歌」を見ればいい。その中で紅白は?というと無難にその中間路線を狙うしかなかったわけで、それでいて視聴率も良くて権威があるから、ゲーノー事務所の方とすれば限られた出演枠を獲得するのにそれこそ「鎬を削る」ことになって、結局は視聴者無視の、ナゾの出演者が多数登場、というような事態に陥って来たのだと思う。(まあ、今回初出場の薬師丸たんは、ファンの俺でもナゾに思うのだけど。苦笑)
 でもね、今回の紅白はサザン、みゆき、長渕、そして聖子にひろ子に明菜まで出て、そんなモヤモヤに関してどこか溜飲の下がる思いがしたのよね。「FNS」にも「年忘れ」にも出ない、でも確実に幅広い固定ファンが付いている(80年代に活躍した)"大スター"たち。懐メロ演歌を欲しがる壮年層や流行を追いたがる若者層の狭間でスッポリと抜けた、バブル時代を駆け抜けた"中年層"、これにアピールしたのが今回の紅白だったように思うのよね。そう、これからの紅白は、これでいいと思うのよ。おそらく大晦日の夜、普段はバラバラに生活している家族が一年で最もリビング(かつての"茶の間")に集う確率の高いその時間に、すべての年代から注目されかつアピールする番組を作るなら、おじいちゃんやおばあちゃん、息子や娘だけでなく、いまお父さんお母さんになっている「中年層」が喜ぶメンツも揃えなければ成立しないはず。それを、今回の紅白で初めて成功させたのでは?とね。
 まあ、視聴率だけで見れば大して効果はなかったのかもしれないし、特に今回は「SONGS」出演者が軒並み出ていたりしてNHKへの功労者褒賞の色彩が濃い気もした(V6は大河ドラマ、ミワさんは朝ドラのナレーション、みゆきと絢香は主題歌ね)ので、諸手をあげて"紅白、バンザイ"を言う気はないのだけども(苦笑)。
 ということで、新年最初から長くなりましたが、以上、ワタシの紅白鑑賞記でした。
 
 ・・・ちょっと待った!最後に個別のアーティストの感想についても少し書かせてね。

  • 薬師丸たん。歌前のトークからコチコチで、ちょっと可哀想だったわね。でも名曲「WOMAN」のサビでは50歳ならでは(笑)のオトナの声で柔らかく朗々と歌い上げて、いぶし銀の印象でした。
  • みゆきさん。最初から最後まで安定した歌声と堂々たるパフォーマンスで「さすが!」という感じ。「夜会」効果ですな。最後にマッサン夫婦と並んで見せた笑顔はまるで優しいおばあちゃんのようでした(失礼!)。
  • サザン。ファン垂涎の"年越しライブ"そのままの雰囲気を味わえて幸せ。桑田さんの変わらなさも何気にスゴイ。"映像提供WOWOW"に思わずニンマリ。NHKも変わりました。
  • 明菜さん。冒頭のトークは視線も定まらず挙動不審で"大丈夫かな?"と。でもルックスは5年前の「SONGS」出演時の雰囲気と大きく変わっていなくてひと安心。新曲「Rojo -Tierra-」は、激しい曲調ながら終始力の抜けたファルセットボイスが却って新鮮で、ボーカルにも新しい方向性が見えた気がした。でも歌の途中にナゾのイメージ画像が挿入されたりで、本当にナマ出演??という新たな疑惑が・・・(苦笑)。私としては、アキナが歌っているあの時間が何だか異空間を漂っているような不思議な感覚で(あまりにブランクが長かったせいでしょう)夢か現実か釈然としないまま、あっという間に終わってしまった印象で。とはいっても「復活の小手試し」としては大成功でしたよね。"私たちは一人じゃない"という印象的なフレーズを歌いながら、キリッとカメラを睨むアキナに、"きっと大丈夫だ"と思えたファンも少なくないのでは?
  • 聖子たん。ダメヨ〜、ダメダメ(一応、昨年の流行語ということで・・)。緊張はあったにしても、声、出てなかったわよね。ナマ歌で頑張ったのは認める。でもね、あれほど歌い倒している曲なんだから、もっとちゃんと歌ってよ、と拳にぎって応援しているうちにいつの間にか終わったちゃった感じね。おまけに曲も短縮されちゃって、ただ「大トリ」という肩書きを与えたのだからいいでしょ(by NHK)という印象で、何だかいろんな意味で可哀想だった聖子たん。嵐もスマップもメドレーだったのだから、聖子さんももっとハデに「メドレー」で攻めればよかったのに。。。そこだけは本当に残念な紅白でしたわ。聖子たん、今年の年末はやっぱりアットホームに"カウントダウン"ではじけてね!