太田裕美コンサート2015―まごころ倍返し―

　聖子さんライブで盛り上がった翌週の６月２０日（土）、今度は待望の太田裕美さんのライブに行ってきました！実はhiroc-fontana、今月が誕生月でして、五十路越えての誕生日はちっとも嬉しくないものの（苦笑）、大好きな歌手お二人のライブが続けて観られるなんて、久しぶりにビッグなバースデイ・プレゼントを頂いた気分。ほんと、シアワセでした！
　会場は昨年３月の４０周年ライブ「雨女の恩返し〜tutumikko」
と同じ、渋谷区文化総合センター大和田・さくらホール。素敵な会場での久々のライブで、本当に贅沢な２時間でした。
　昨年はデビュー40周年記念アルバム『tutumikko』関連で、春・秋（夏の終り）と筒美京平しばりのコンサートを開催してくれた太田さん、あれはあれで２回ともレア曲たっぷりの選曲で楽しませてくれたのだけど、筒美しばりが解けた（笑）今回は果たしてどんな曲を演ってくれるのか、期待たっぷりで臨んだhiroc-fontana、今回のセトリも大満足でした。
（ちょっとピンボケでごめんなさい。終演後に掲示されたものを今回はシッカリ撮ってきたつもりだったのですが・・・汗）

　ということで、オープニングは清楚な白いロングドレスで裕美さんが一人登場し、ピアノ弾き語りで久々の「袋小路」を。曲の途中からA.Gの西海さん、E.G&B&Perの岩井さん、Pfの大古さんが加わるという演出で、同じくユーミンの提供曲「青い傘」へ続く。MCなしでの名曲２曲披露で観客はぐっとステージに引き込まれる感じ。
　続いてはハンドマイクで、腰に手を当てる振り付けも懐かしい拓郎さん作品「失恋魔術師」、８０年の網倉一也さん作品でスマッシュヒットした「南風」と、あまり声の調子が良くない時期に発表されたシングル曲２曲を当時以上の美しいファルセットを駆使して歌う太田さん、齢●０を越えて絶好調な歌声に魅了されてしまう。そしてお次は早くも「木綿」登場だったわけだけど、今回はワンコーラス目をバラードバージョンで披露。ほとんどアカペラで、その歌声だけでまるで一人芝居のようにドラマチックに別れのシーンを再現する太田さんの、圧倒的なステージングに釘付けでした。今回のベスト・パフォーマンス。でも、そのあとのMCでは「こんなに早く「木綿」を歌ってしまって、初めて来られた方はこの後のステージは何をやるのかと思うかも」なんて自虐的コメントで笑わせてくれたりして。
　今回の「蔵出し曲」はそのあとの「四季絵巻」（「恋人たちの100の偽り」B面、名曲！）「ガラスの世代」「シングルガール」（ともに79年発表のシングル）の３曲で、これは俺もライブでは初めて聴いたかも。「ガラスの世代」は作詞家・ちあき哲也さんが急逝されたことで急きょお披露目ということだったのだけど、裕美さん曰く「昨年のライブで自分としてはあまり歌っていなかった「恋人たちの100偽り」を、一番大好きというファンの方がいて驚いた。自分の中で蔑ろに扱っている曲（←笑）も、自分に与えて頂いた曲のひとつとして感謝して歌わなければ」とのことで、女性として歌手として悩んでいた時期の苦い思い出が残る曲として「ガラスの世代」「シングルガール」が出てきたわけで、その当時の“売れないアイドル”的扱いだった太田さんを応援していた自分としても、感慨深い選曲でした。特に今回は小編成のシンプルなバッキングで太田さんもギターを弾きながら歌ってくれた「シングルガール」が、レコードのいかにも歌謡曲的な雰囲気とはひと味もふた味も違っていて、イイ曲だな〜と改めて感じたりして、やっぱり太田さんの曲に捨て曲はない、と確信した次第。
　そして昨年のツアーでは未披露（と太田さんは言っていたけど「ガールフレンド」は"夏の終り"で披露済み）の『tutumikko』関連で３曲、改めて大瀧さん追悼の３曲（「ブルー・ベイビー・ブルー」はレコード音源より今の太田さんのボーカルの方が断然良かった！）、と続き、バラードの名曲３曲でクライマックスへ。
　リラックスしたトークも相変わらず絶好調だった太田さん、松本隆氏の作家生活４５周年に触れて「松本さんから、"tutumikkoの次はTakashikkoを出してよ、と言われた"」とか、大瀧さんの曲を歌う前には「大瀧さんの曲を３曲続けてお送りします。あ、３曲しかないけど。」なんて天然キャラで笑わせてくれながら、ISに関する話題までも網羅したネタ満載のMCは、やはり太田さんのライブの愉しみのひとつ。
　赤Ｔにグレーのタンクトップワンピースで登場したアンコールでは、ステージ上を飛び跳ねて、腰の重い中高年の観客を見事にノリノリにさせるパワーを見せてくれた太田さん、年々、歳を重ねるほどにお元気になられているようで、ファルセットも絶好調のまま、ナマ歌で２０曲も披露するその歌唱力（と弛まぬご努力）のスゴさに改めて感服。素敵な歌声に素敵な曲の数々、まさに至福の２時間でした。
　太田さん、これまでのステキな４０年をありがとう！そしてこれからもずっと、応援していきます！